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そもそも、この宇宙というものは、巨大なエネルギーの場である。そのエネルギーが森羅万象となり、万事万物となって、この大自然世界に存在し、生存する。人間も、そのうちの一つである。
宇宙に絶対と相対があるごとく、平等と差別があるごとく、人間もまた、これらの特質を忠実に備えている。人間自身の中にもあるが、人間と人間の関係の上にもある。
一人の人間と他の人間とを比べてみれば、そこには必ず差別がある。差別は優劣となって表れる。人間ほど優劣の開きの大きな生物は、ほかにはないかもしれない。
優劣があるからには、競争が起こる。人間と人間の競争は、その生涯と生涯の競争である。いかに生きるか、いかに生きたか。そうして、人間として成就、完成への道をどこまで行き着くことができたか。
個人の人生のうちの一日一日の生活の中にも、優劣の差は表れる。その一日一日の積み重ねは、その人の生涯を左右する。ある人は有名になり、富裕になり、ある人々はその反対の境遇になる。
誰しもが、生まれる時は何も持たず、文字通り素裸で生まれた。そして、何も知らず、ただ無心に出発したはずのものが、先へゆくほど差が開き、優劣の度が大きくなる。途中で、不運にも姿を消す者もいる。
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