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悪い例を挙げれば、「腹も身の内」という暴飲暴食を戒める言葉を顧みず、「早飯も芸の内」とばかりに、よく噛みもせずに食事を詰め込むという人は、自分の体調のことを何も考えていない。
満腹状態というのは、生理的欲求が満たされて、精神の活動が鈍くなっている状態でもあり、とても仕事に向かう瞬発力など生まれてこない。「では空腹がよいか」というと、これまた本能的に食餌(しょくじ)行動の欲求が起こり、集中力は出てこない。
生理学的には、満腹時から空腹時に移る、程よいおなかのすき具合の時に、思考活動が高まるメカニズムになっている。食事は腹八分目くらいにとどめておかないと、大事な仕事に臨んで、しくじることにもなりかねない。
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