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●おいしい水の秘密について
では、おいしい水とはどんな水であるか、について述べてみよう。
水のおいしさに関係のある水質成分を科学的に分析すると、第一に、炭酸ガスが挙げられる。炭酸ガスは自然の湧き水や地下水(浅井戸)などに含まれているが、これが適量溶けていると、水に新鮮でさわやかな味が加わる。水中の炭酸が舌や胃の神経を刺激し、消化液の分泌を促進するからである。
次が、何といっても酸素の量である。水に溶けている酸素の量が多いほど清涼感があり、新鮮な味がするものだ。第三は、ミネラルの含有量である。マグネシウム、カルシウムをはじめ、ナトリウム、カリウム、鉄、マンガン、亜鉛、シリカなどさまざまな鉱物質が水に溶けているのが、自然水の特徴である。適度のミネラル含有量は、五十~二十ミリグラムリットルとされ、こくがあり、まろみを保っている。
そして何より、私たちにとって一般においしいと感じられるのは、生温かい水より冷たい水である。湧き水や井戸水が水道水よりおいしいのは、成分差もあるが、第一に水温が適当に低いからである。
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