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敗戦後の食糧不足に困り果てた日本人への、戦争相手だったアメリカからの思い掛けぬ贈り物が、当時の少年少女を発育させ、彼らの世代を親とする今の青少年の身長をかくも伸ばす要因の一つとなったのである。
しかしながら、現代の日本人は体だけは大きくなっているが、「うどの大木」ではなかろうか。
飽食、過食、美食の結果、肥満となり、知らぬ間に骨はもろく、内臓はおかしくなって、いろいろな欠陥が出てきている。病院や製薬会社はもうかり、国民は常に保健に気を遣うようになってきた。
弱った体を医療で補い、長生きをする長寿国日本ということで、平均寿命が八十歳代となったが、今長生きしている人たちは明治生まれ、大正生まれなのである。これが昭和初期生まれくらいまではよいとしても、団地やマンションに住み、インスタントラーメンやレトルト食品を食べて育った団塊の世代以後が老人になった時、果たして明治生まれや大正生まれのように長持ちするのであろうか。たぶん、病院や介護施設ばかりが込んでしまうのではないだろうか。
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