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そのエストロゲンの分泌を促す要因として挙げられるのは、生活様式が欧米化したこと、とりわけ食生活が欧米化したことです。高蛋白(たんぱく)質、高脂肪、高エネルギーの欧米型の食事により、日本人の体格も向上して女性の初潮が早く始まり、閉経の時期も遅くなって、月経のある期間が延びました。その結果、乳がんの発生や進行に関係するエストロゲンの影響を受ける期間が長くなったことが、乳がんの増加に関連しているようです。
ほかに、欧米型の食事の影響である肥満、生活習慣、ストレス、喫煙や環境ホルモンによる活性酸素の増加なども、エストロゲンの分泌を促す要因として挙げられます。
乳がんにかかりやすい人としては、初潮が早い人、30歳以上で未婚の人、30歳以上で初めてお産をした人、55歳以上で閉経した人、標準体重の20パーセント以上の肥満のある人などが挙げられています。また、母親や姉妹が乳がんになった人や、以前に片方の乳房に乳がんができた人も、注意が必要です。
特殊なタイプの乳がんも、まれに発生しています。乳首に治りにくいただれや湿疹(しつしん)ができるパジェット病と、乳房の皮膚が夏みかんの皮のように厚くなり、赤くなってくる炎症性乳がんと呼ばれる、非常に治りにくい種類です。
なお、乳がんにかかる人はほとんど女性ですが、女性の約100分の1の割合で男性にもみられます。
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