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小児に多い急性リンパ性白血病(ALL)では、あらゆるがんの中で、化学療法が最も効果があります。抗がん剤を投与すると、90パーセント以上の症例で、血液や骨髄の中から白血病細胞が消失し、正常な血液や骨髄と違わない状態になります。これを寛解(かんかい)と呼びます。
寛解は治癒とは違いますが、その第一歩。寛解状態が、再発することなく2年以上継続した症例では、治癒が高率に得られます。
成人に多い急性骨髄性白血病(AML)では、急性リンパ性白血病(ALL)に比較して、治療は困難です。その理由の第1は、薬の有効性が劣ることです。
第2には、合併症が発生しやすいことです。寛解にするためには、一時的に血液、骨髄中から、正常な細胞をも含めて白血病細胞を一掃し、骨髄から正常な細胞が作り出されるのを待ちます。成人の場合、この回復に2〜3週間が必要で、この期間中に感染や出血などの合併症が起こると、危険な状態に陥ることがあるのです。とりわけ、60歳以上の人では回復力が弱いため、重い合併症がしばしば発生します。
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