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「ここ一番、さあ本番だ」という時に及んで、過度の緊張状態に陥ったならば、能力が最大限に発揮される適正レベルまで、緊張度や興奮度を下げてやらなければならない。そのための有効な方法が、呼吸法なのだ。
人間誰もが日常的に経験しているはずだが、緊張すると生理的に呼吸が浅くなる。これを解消するために、ほとんど無意識のうちに深呼吸をしているのであり、もっと意図的に行えば、精神の緊張や興奮を調整できるようになってくる。
精神をリラックスさせる代表的な方法として、西洋には自律訓練法があり、東洋には丹田呼吸法がある。両者に共通しているのは、深く、ゆっくり呼吸する点である。
東洋の丹田呼吸法というのは、腹式呼吸法の一種で、坐禅の呼吸法の一つ。深く息を吸い込み、止める。少ししてから、ゆっくり吐き出す。吐き出す際には、「息は胸からでなく、腹からの排出である」と、素直に錯覚できるようになると理想的。排出する時、臍下丹田に力がこもると、快感を伴う。
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