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それでは、メタボリック症候群はどうして起こるのでしょうか。はっきりとはわかっていませんが、大きな要因は主に体質と生活習慣の二つです。
体質については不明な点が多いのですが、今のところ有力視されている説では、すい臓から分泌されるホルモンであるインスリンの抵抗性や、脂肪細胞の機能異常が関わっている、と見なしています。
まず、私たちが肥満になると、脂肪組織や筋組織における糖の取り込み能力が低下してしまうため、糖を代謝する時に必要なインスリンがうまく働かなくなります。肥満はさらに、筋肉や肝臓でのグリコーゲン合成酵素の活性も低下させます。
結果的に、血糖値が高くなり、ますますインスリンの働きが阻害されてしまいます。インスリンがうまく機能しないと、糖尿病や高血圧、高脂血症の危険が高まります。動脈硬化が促進され、冠動脈疾患にかかる可能性も出てきます。
歴史的に見れば、肥満が問題にされているのは、ごく最近のことにすぎません。人類は太古の昔から、ずっと飢餓の歴史に耐えてきました。お陰で、エネルギーが枯渇した場合の身体システムは発達しましたが、近代の飽食に直面して以降、エネルギーがあふれた状態を解消する仕組みができていないために、新たな病も派生しているのではないでしょうか。
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