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∥体を動かす∥

 

●一日の仕事の計画化で気力を鼓舞する

 ビジネスマンでも、学生でも、気力に満ちた一日を送るためには、朝早くスタートすることが何よりである。会社へ十分早く出勤した日と十分遅れて着いた日を比較すると、その日の仕事の能率が違うことは、サラリーマンやOLなら何度も経験ずみであろう。

 俗に「先んずれば人を制す」ともいう。ビジネスの交渉の席に相手よりも早くくるか、遅くくるかで、結果が違ってくることさえある。

 交渉などで、相手に飲まれないように気力を奮い起こすには、約束の時間よりも早く出向くこともよい。不安や劣等感から「会いたくない」という気持ちが強い時でも、相手より先にゆくという積極性は、「この仕事を成し遂げなければならない」という気持ちを押し上げる。

 また、早く出向くという積極的な行動自体が、不安や劣等感、消極的な気持ちを抑えてくれるから、「成し遂げなければならない」気持ちが高まり、気力も出るのである。

 学生なら、大学受験や就職試験などの時に、定刻よりも少し早めにゆくようにするといいだろう。あるいは、ビジネスマンなら、大事な仕事の待ち構えている日は、いつもより早めに出社する。

 特別の日でなくても、会社にゆくことが憂うつに感じられる月曜日などは、ふだんより十五分だけ早く出てみるといい。それだけで気力も出て、憂うつな気分も吹き飛ぶことだろう。

 会社に着いたならば、仕事に対して気力を奮い起こすためには、仕事への着手を早くすることだ。

 昨夜のナイターやサッカーの話に熱中するなど、朝のおしゃべりに長々と時間を費やすといった行為は、やめるべきだろう。無駄口は、エネルギーの消費、空費なのである。

 次には、その日一日のことを計画することも、仕事に前向きに、気力を出して取り組むには大切。つまり、プランとかスケジュールとかいうことが、気力を鼓舞し、仕事の能率を上げるためにきわめて重要なのである。

 プランというのは、仕事全般を長期にわたって見通すものであり、スケジュールというのは、現在の問題、明日とか明後日の仕事をどう処理するかという、毎日毎日の計画である。

 世の中には、「仕事が多すぎる」とこぼす人が多いが、そのような人の多くは、毎日のスケジュールを作ることが下手なのである。日常の仕事の整理もせず、つまらぬ仕事まで抱え込んで、その雑事に押しつぶされているのである。

 スケジュール作りがうまくいかないのは、つい困難な仕事を先に延ばしたいという意識が、人間に働きがちだからでもある。

 もちろん、ほかの簡単な仕事、やりやすい仕事から着手し、それをステップにして困難な仕事に取り掛かるというのなら、気力の出し方の一つである。

 しかし、気を付けたいのは、単に嫌なことを先に延ばしたいという、逃げの気持ちでやってしまうことで、こんな気持ちでやっていたのでは、うまくやれば次への弾みになるはずの仕事も、ただダラダラとこなしているだけで、一向に能率も上がらない。

 私がお勧めしたいのは、その日にやらなければならない仕事を全部リストアップし、それぞれ重要なものから優先順位をつけていく方法。書類の作成は最重要課題なのでA、机の中の整理はE、企画書作りはBなどランクをつけてしまえば、何から取り掛からねばならぬか一目瞭(りょう)然。重要度がわかると、気力の出しどころもわかってくる。

 朝、仕事に取り掛かる前に、その日一日の仕事を書き出して、真っ先にやらなければならない重要な仕事から着手してみてはどうだろうか。

 常に、真っ先に、一番大事なことをやる習慣をつけるようにし、つまらぬことによって妨げられないようにするのだ。真実の成果を得られないような、くだらぬ小事に気を使って、貴重な時間と労力を無駄に費やしてはならない。

 この際、身近なことが常に最も重要なこととは限らない点も、知ってもらいたい。誰にとっても、時間的に近接している事柄が、その瞬間には一番大切なことのように思えるもの。だが、全体を見通して、果たして本当に適当かどうかを決めた上で、実際に仕事を進めてゆく習慣を作るべきである。

●重要な仕事は活力の満ちている時間に

 さらに、私たち人間の一日の生活時間にはリズムがあるものだから、気力を鼓舞して仕事の能率を上げるためには、自分のリズムを活用し、心身両面にわたるエネルギーの上昇と下降のカーブに仕事を合わせることも必要である。

 このエネルギーのカーブは人間によって違うが、午前中は大抵の人がエネルギーが充実し、集中度が高まっている時間である。

 この時間こそ最も挑戦的な、最も創造的な仕事に当てるがいい。重要な契約とか会議のために、精神状態を鋭敏にしておきたいならば、午前中の時間を割り当てれば、大いに効果が認められるはずだ。

 逆に、決まり切った仕事とか重要でない仕事には、エネルギーの充実した時間を割り振らないこと。精神的、肉体的に自分の能率が下降し、気力の水準が次第に落ち込みかかった時には、より受動的な仕事に切り替えればいい。決まり切った仕事をするとか、一休みするのである。

 すなわち、最も活力に満ちている時間に一番重要な仕事を処理し、能率の低下した時間にはそれほど重要でない仕事を片付けるようにするわけだ。

 今の企業社会を見ると、大抵の人は一番気合が乗って、気力や活力に満ちている朝の時間に、手紙の処理、帳簿の照合、昨日の仕事の残りといった、平凡な日常業務にかかり切っていて、本当に大事な、創造的な仕事に取り組む頃には、頭の回転が鈍くなっているのが実情ではないだろうか。

 人間には一日二十四時間の生体リズムがあり、精神的、肉体的効率は毎日、周期的に変化している。一日のうちには、効率の最も高い時と最も低い時があるが、この効率の上昇、下降というものは毎日、だいたい同じ時刻に起こる。

 これが効率の型で、大抵の人は朝食後一時間ぐらいでピークに達し、その後効率は徐々に落ちて、午後四時頃に最低となり、夕食後はわずかに上昇し、また次第に下降するパターンを繰り返している。

 この生体リズムを大いに活用して、仕事に意欲的に取り組んでもらいたいものである。

 また、同じ時間に同じ労力で、より多くの仕事をこなすために、即時処理というよい方法もある。

 即時処理とは、自分が「やろう」と決めたことは何事であれ、ほとんど反射的に、即座に着手するということである。

 この即時処理のちょっとした習慣、技術を身に着けた人は、例外なく、仕事が楽しく、気力や活気が生まれ、効果的にやれるようになる。

 即時処理を基準に判断し、実行できる人は、交渉相手を訪問するのを引き延ばしているうちに、競争相手に注文をさらわれてしまうこともない。今日中に作らなければならない報告書を次の日まで延ばして、上司から叱(しか)られることもない。

 自分が目下「しなければならない」、「しよう」と判断したことは、すぐにその時、その場で片付けてしまうからである。

 もし、一度でやり切れないようなことがあった場合は、再度できる時間を決めておいて、その時間に間違いなく着手すること。

 すぐ着手するということは、事柄を記憶したり、書き留めたり、初めからまたやり直したりする労力と時間を省くだけでなく、一つの事柄を長く心の中に抱いていることからくるストレスを解消するという効果も認められる。

 手紙の返事を書く必要があったら、即座に書く。後で書こうとしたら、もう一度先方の手紙を読み返さなければならない。意思決定をしなければならない場合は、すぐ下す。仕事に役立つアイデアが浮かんだら、すぐ出す。

 当然、事柄によっては、熟慮を要し、時間をかけて考えなければならない問題もあるにしろ、重要度の低い事柄や急を要する事柄は、すぐ迷わず着手するほうが得策である。

 ビジネスマンに限らず誰もが、今できることを後に延ばすな、今日できることを明日に延ばすな、ということを生活に生かすことである。

 「今すぐ」は気力の鼓舞につながり、物事を成し遂げるが、「いつか」、「いずれ」、「明日」、「次の週」、「後で」などいう考え方は嫌気につながり、失敗をもたらす場合が多い、ということを銘記してほしい。

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●すぐ行動する習慣を身に着けよう

 毎日の会社の仕事に気力を出して、能率的に遂行するに当たっては、即時処理の実行で無駄を省くと同時に、リズミカルに行うことも大切になる。

 熟練した大工、左官、庭師、土工などの仕事ぶりを見ていると、仕事の上手な人ほど体がリズミカルに動いていることに気が付くだろう。頭脳的な仕事をする場合の心身のリズムも、これと同じ理屈である。

 能率の悪い人は、何か一事を始めても完全にやり終えないうちに、中途半端なところでほかのものに手を出したりして、仕事に少しもリズムが見られない。

 そういう人は、ある時間、決して無駄で余計な意識を使わず、一つの仕事だけに熱中するようにすれば、おのずとリズムが生まれてきて、気力が出るから能率が上がるものである。

 といっても、やたらに根を詰めて仕事をするように、勧めているのではない。むずかしい仕事を一気に片付けようとするのでは、息が続かなくなるから、途中でペースを調節しながら気力を一新し、能率をよくする工夫をしなければならない。

 それには、三時間仕事に集中したら、十分間だけ仕事に変化をつけるという方法もある。仕事に変化をつけるとは、何も休むことではない。気分転換に役立つようなほかの仕事をやるのである。適当に気分を変えながら仕事をしていれば、成し遂げようとする気力や思考力がスランプに陥るようなことはない。

 そのほかにも、会社において気力を鼓舞しながら仕事をする上で、実行可能な工夫がいろいろある。

 例えば、頭脳を明敏にしたり、日常業務でない特殊な問題に注意を集中するために、短時間自分一人になって考えたいと思うのだったら、静かな喫茶店を利用するのもよい。座席のすいている時間を見計らって電車に乗り、環状線を二、三回回ってみるのもよい。

 天気のよい日だったら、会社の屋上も考える場所になるだろうし、あまり人が混んでいない公園のベンチ、美術館、博物館も、まとまった自分の時間を持ち、新鮮な気持ちで落ち着いて物を考えるのに適している。

 このように工夫はいろいろあるが、ビジネスマンが物事を成し遂げるための要点は、すぐ行動する習慣を身に着けること、精神が自分を動かすのを待っていないで、自ら精神を動かす工夫を試みることに尽きる。

 「仕事が嫌だなあ」などと考えないで、まずその仕事に飛ぶ込み、体で専念してやってみればいい。あれこれ考える前に、思いっ切り自分の体を動かすことが、気力の鼓舞や持続につながる。最初に一歩を踏み出す。そうして初めて状況は動く。

 ほんのちょっとした行動を起こすだけで、状況は大きく変わり、仕事、あるいは勉強に集中するきっかけを作ることになる。机に着くだけでいい。書類をペラペラとめくるだけでもいい。鉛筆を手に持って、ノートに何でもいいから書いてみるだけでもいい。

 とにかく、行動することが大切なのである。書類を眺めたりしているうちに、次第に「やはり今のうちにやっておいたほうがいいかな」という気持ちも生まれてくる。そこで「よし」と気力を奮い起こせばよい。

●動作を素早くすれば心も興奮する

 すぐ行動する習慣を自分のものにし、ここ一番という時に気力を鼓舞し、その成し遂げようとする気力を持続させるエネルギーを持つためには、ふだんからスポーツなどで体を動かす習慣を持つことを勧めたい。

 日本の優秀なビジネスマンも、体を動かすことで気力を鼓舞し、持続させているようだ。経営のトップにある社長、第一線のビジネスマンや現場を統括する管理職たちは、それぞれ「毎朝のジョギングの後に朝風呂に入って、心身をリフレッシュさせてから出社する」、「毎朝五時に起床して近くの公園を散歩してから、ラジオ体操をやる」などと、雑誌やテレビで独自の体を動かす健康法を語っている。

 これらの運動は、健康管理の一つの方法であるとともに、自分の気力の鼓舞と維持のためのものでもあるはずだ。体を動かすことで、精神も興奮する。「仕事をしなければならない」という積極的な気持ちが刺激され、「怠けたい」、「仕事をしたくない」というマイナスの気持ちを上回る。そこで、今日一日の仕事へ向かう気力や、元気が生まれてくるというわけである。

 気力を鼓舞する方法の一つとして体を動かすのに、時間や場所にもこだわる必要はない。仕事や勉強をしている最中、「能率が落ちてきたな」、「ちょっとダレてきたな」と自覚したら、その場で椅子(いす)から立って、背伸びや屈伸運動をしてもいい。床に手をついて腕立て伏せをしてもいい。

 運動の種類は何でもいいのである。要は、体を少し動かすことで、心に活を入れればいいのだ。

 仕事が順調にいかない時や、いらいらして手につかない時には、会社の屋上へ出てみたり、トイレに入って、ゴルフのスイングや野球の素振りのまねをしてみるのもよい。会社の階段を駆け足で上り下りしてみるのもいいだろう。

 これらだけでも、気分が爽快となり、「もう少し頑張ってみよう」と、全身に気力がよみがえってくるものである。

 ただし、長々と体を動かす必要はない。あまりに激しい運動を長く続けると、体のほうが疲れてしまい、気力を出そうにも体がついてこないという結果になりかねない。気力が出たと感じたら、すぐに仕事や勉強に戻ることである。

 自分の気力を鼓舞するには、ただ体を動かすだけでも効果があるが、仕事中にキビキビと素早い動作をするようにすれば、心のエンジンも始動する。

 ダラダラと緩慢な動作で仕事をしていたなら、気力も元気も起きないはずである。一方、キビキビと素早い動作で仕事をしてみると、不思議に気力や元気が出てきたという体験は誰もがあることだろう。

 緩慢で鈍い動作では、体に興奮が起きてこないから、精神も興奮しない。動作を素早くすると、自分の体にすぐに興奮が起こり、精神にも興奮が伝わる。体のエネルギーが心のエネルギーに変わり、気力が出てくるというわけだ。

 そこで、仕事に気乗りがしない場合には、書類をめくるスピード、文字を書くスピード、何でもいいから自分の動作を早くしてみることを勧めたい。怖い上司に飲まれたくなかったら、呼ばれた際には「ハイ」と返事して素早く立つ。それだけのことで、仕事や上司に対して積極的に立ち向かっていけるものである。

 気力を奮い起こしたいと考えたら、自分の肉体の一部に強い力を入れてみるのもいい。心の緊張や興奮が、体のどこか一部に力をこめる形となって現れるのと同様、体のどこか一部の緊張は、心の緊張や興奮となって現れるものである。それによって、心の中のやらなければならない気持ちが刺激され、高まってくるわけだ。

 応用するのは仕事や勉強に飽きがきて、能率が悪くなった時などである。男性ならば、ベルトを締め直したり、ネクタイを強く締め直してみるといいだろう。

 首や腹に力が入るわけだが、真に簡単なことで気力も出て、能率は元に戻ってくるもの。何気ない体の緊張でも、心のエネルギーを一気に高め、気力や元気を呼び起こす。

 私が特に勧めたいのは、下腹に力をこめること。最近の男性が弱々しくなった理由の一つは、腹に力を入れる腹式呼吸ではなく、胸で息を吸う胸式呼吸をするようになったことにあり、腹に力が入らないと、元気も出てこないし、いかにも弱そうに見えるものだ。

 逆に、腹に力をこめることで、元気が出てきて、大胆で、何事にも動じない男になれるのである。

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