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肛門からの出血は、痔(じ)出血と間違えるほど真っ赤ですから、非常にはっきりした自覚症状といえます。血液だけではなく、粘液の排出もしばしばあり、がんが進むと、悪臭のある腐敗性のものが排便と同時に排出されます。
また、直腸の炎症を一緒に起こすため、下痢と度重なる便意がくることもあります。がんのために直腸が狭まると、便が細くなり、周囲に血液が付いてきます。出血を繰り返すと、貧血が強くなり、めまいを起こすようにもなります。
痛みは初期にはほとんどなく、がん病巣の潰瘍(かいよう)が大きくなったり、直腸の狭窄が強まったりすると、腹部膨満や腹痛、あるいは肛門や臀部(でんぶ)に放散する痛みが起こります。
しかし、これといった症状がほとんどないうちに突然、腸閉塞症として発病することもまれではありません。
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