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問題への心理的な対処のメカニズムの不適切も、よく目に付きます。この対処メカニズムは誰(だれ)もが無意識に用いるものですが、人格障害がある人の場合はその使い方が未熟で不適応的であるために、日常生活にまで支障を来します。
人格障害の治療には、長い時間がかかります。人格障害は一時的な心の病ではなく、問題が人格といえるほどに当人の心の奥底まで浸透し、長期に渡って変化せずに安定していますので、社会適応の妨げとなる特性が短期間で改善されることはあまり望めません。
人格障害の人は何よりも他人を信頼しないので、医師との治療関係に持っていくまでが大変ですし、治療関係自体を良好なまま維持していくのにも工夫が必要とされます。
何らかの精神症状が出ている場合、妄想などの内容が過激で生活にかなりの支障が出ている場合には、薬物を投与しながら治療していくほうが好ましいとされます。
薬物療法や環境ストレスの低減により、不安や抑うつなどの症状はすぐに軽快します。ただし、薬には症状を緩和させるだけの限られた効果しかなく、人格障害から起こる不安や悲しみなどの感情は、薬で十分に軽減されることはまずありません。
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