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では、人間の場合、アポクリン腺は何をしているのだろう。人間のアポクリン腺は、思春期にならないと分泌を始めない。このうち特に重要なのは、脇の下にある腺。これは油状の汗を出すが、その中にはアンドロステロンという男性ホルモンの一種が含まれている。女性の場合には、ほとんどアンドロステロンを含まないが、男性では十八歳から四十五歳くらいまでの間は、かなり大量のアンドロステロンを含んでいるのである。
アンドロステロンは尿にも含まれる。動物の場合、これは性ホルモンの役割を果たしているが、人間の場合も体臭として性的意義を持つということである。
確かに、人間のアポクリン腺の役割は動物ほどはっきりしていないにしろ、体臭が私たちの人間関係、社会生活に大きな役割を担っていることは間違いのないところである。
また、においが性の刺激に関係することも事実ではないかと思われる。その証拠に、世界中の有名な香水の最も重要な原料は、動物の尿や便、肉の持つ性的なにおいの成分なのである。
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