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とりわけ、すきっ腹に飲む自然の冷水は、胃に入るやいなや、ほんの数秒あるいは数分間で体中にいきわたるものである。細胞から細胞へ、血液を通して、どんな微細な部分へでも、たちどころに浸透していく。これは、水の毛管現象といわれる宇宙性の特徴である。天然水が巨岩を砕き、ついには押し流すに至る力も、この毛管現象による。この浸透力と溶解する力に生命を託し、依存しているのが、動植物を問わず、生物全体の水との関係である。
だからこそ、よく眠って肉体をゼロにして起き出す朝の、水分不足の体に、コップ一杯の水は牛乳以上の効をなす。人間は金高で価値をはかるが、水というインフレ退治の妙薬のあるのを忘れている。
ぐっすり眠れた朝ほど、寝ている間に自然作用で水分が吸収されてしまうため、ことにのどが渇くもの。従って、その分だけたっぷりと水を補給しなければならない。七、八時間の睡眠なら最低コップ五杯ぐらいの水が必要で、一度では無理としても、何回かに分けて飲む習慣をつけるべきである。
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