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∥ライバルや格言の利用法∥

 

■元来、目で見るという行為自体が、集中力を増し、やる気を出す手段として、大いに有効なものなのである。■

 味覚、嗅覚、聴覚と同様、視覚を活用してやる気を喚起する方法もある。

 重要な会議が控えているとか、受験で面接試験があるなど、特に人前で話さなければならない時には、出掛ける前に、自分の姿を鏡に映すやる気喚起法が、効果を発揮するはずである。

 鏡に映る自分の情けない顔を目にすると、「そんなことでどうする。しっかりするんだ」と、自分で自分を元気づける気にもなってくる。

 その自分に対する元気づけ、勇気づけが、失敗への不安感や過度のマイナスの緊張を、「やってみるか」というプラスの緊張へと転換してくれるだろう。

 そして、自分の姿に力がみなぎってきたことを目で確認できた時、自信も生まれてくる。

 年配の男性の中には、「自分の顔や姿を眺めるのは、照れ臭い」という向きもあろうが、自宅の玄関に姿見を置いておいて、朝の出掛けなどに身なりを映してみるだけでも、十分効果はある。髪やネクタイでもちょっと直して、「さあ、やるぞ」と自分に声を掛けて、出勤するようにしてもいいだろう。

 同じ意味から、気に入っている自分の写真を常に持ち歩き、気分が乗らない時や、落ち込んでいる時に、取り出して眺めることも効果的。

 視覚的にやる気を出す手段は、長々と映し出されるビデオよりも、写真のほうが好ましい。喜んでいる自分や、自信がみなぎっている自分の一瞬を切り取っているのが写真だから、瞬間的に気分の高揚をはかり、緊張を呼び込むことが可能で、「これが本来の姿なのだ、太郎よ」と自らを激励し、やる気を出しやすいのである。

 自分の写真でなく、家族の写真などを元気の出る源、仕事の疲れを吹き飛ばし、発奮し直すシンボルの役割に利用してもよい。家族や恋人の顔を頭の中でイメージするだけでも、効果は認められるものだが、実際に写真や実物を見て視覚的に確認したほうが、より強い刺激となる。

 元来、目で見るという行為自体が、集中力を増し、やる気を出す手段として、大いに有効なものなのである。

■何か高級品を一つだけ持つという一点豪華主義も、自分に自信をつける方法として勧められる。■

 目で見ることができる小道具を用意する場合には、自分の「気」が和らぎ、元気が湧き出てくるようなものならば、何でもかまわない。

 恋人の写真や手紙、過去に楽しい思い出のあった品物を、机の引き出しの中に入れておき、集中力がなくなった時に取り出して見るのもいい。創造的な仕事に従事している人ならば、発想をかき立ててくれるような漫画のカットやイラスト、大草原を駆ける野生馬の群れのポスターなどを、壁に張っておいてもいいだろう。

 そのような物を見て、「よしやるぞ」と気合を入れ、やる気を出すようにしていけば、次第次第に、沈滞していた気分も盛り上がり、活力が湧き上がるような条件反射も起こってくる。

 この点、何か高級品を一つだけ持つという一点豪華主義も、自分に自信をつける方法として勧められる。

 誰でも洋服、ネクタイ、靴、指輪、ネックレスなど、何か一つくらいはいい物を持つことはできるはずで、自信を喪失しそうになった時に身に着けて、発奮し直すことができる。日常は縁のない高級な服を着た場合、人間は明らかに表情や動作が違ってくるもの。

 服に限らず、筆記具や腕時計、ライターなどの小道具でも、ただ着るため、使うためといった実用的な使い方だけではなく、自分自身に一種の気合を入れたり、プラスの心理効果をもたらす使い方もあるのである。

■尊敬できる人間、あこがれの人物がいたなら、その人の活躍している姿を見たり、思い出したりすることで、やる気を促すのもよい。■

 自分専用の写真や高級品を持つのもいいが、尊敬できる人間、あこがれの人物がいたなら、その人の活躍している姿を見たり、思い出したりすることで、やる気を促すのもよいだろう。

 今も昔も、野球選手、サッカー選手、プロレスラー、相撲取り、俳優、モデルなどスター、あるいはスーパースターという存在は、一般のファンにとっては尊敬、あこがれの対象という一面を持っているもの。こうしたスターでなくとも、身近に尊敬できる先輩や上司を見付けられれば、最善、最良かもしれない。

 仕事に気合が入らず、やる気が起きない時に、尊敬する人が働いている姿に接することによって、「自分も、もっと頑張らなくては」と意欲を新たにすることができる。

 そもそも、こうした尊敬される先輩や上司というものは、仕事ができる有能な人であることが多い。身近な存在なだけに、仕事ぶりを間近で観察することができる上、彼や彼女のまねをすることで、手際のいい仕事の進め方まで、知らず知らずのうちに身に着けられる。それがまた、自らの自信へとつながっていくだろう。

 運悪く尊敬できる先輩や上司が近くにいない場合には、立志伝中の人物を書物で探すという手段が、残されている。

 私の知人の場合は鎌倉時代の僧の日蓮や、江戸時代の副将軍の水戸黄門であったように、気に入った偉人、豪傑を選び出し、その人の生涯を徹底的に調べたらいい。

 危機に際して、どうしのいだか。失敗した時に、どう対処したか。落ち込んだ時には、どう立ち直ったか。自分の人生に照らし合わせてみると、大概、似たような困難な状況を通り抜けているはずで、その人の行動を手本にすればいい。

 偉人、豪傑と自分を同一化して見てみれば、自信もつくし、ファイトも出る。いつも手元にその伝記を置いておき、好きな文章を読み返すことで、やる気を呼び起こしてもいいだろう。

■やや実力が上と見なされる相手をライバルに据えれば、「負けたくない。負けるものか」と全力を尽くすから、仕事に身が入る。■

 ライバル、好敵手、よき競争相手を見付けて、自分に発破をかける手段に活用するのもいい。

 人間は誰でも、ライバル、好敵手が出現すると嫌でもやる気が出て、闘志に火が付く。彼や彼女だけには負けたくないと思い、負けた時の悔しさを予想して、自然と仕事や勉強に身が入るもの。

 ライバルは自然にできることもあるが、もしいなければ、自分で作り出せばいい。会社の同僚の中に、探してもいい。学生時代の友人で、今は別の会社に就職している相手を、標的に絞ってもいい。あるいは、全く別の分野で活躍している自分と同年配の人間を、勝手にライバルにしてもいいのである。

 また、ライバルというと、同年配で実力伯仲の相手を対象にしがちだろうが、決して拘泥する必要はない。同レベルの人間をライバルに選ぼうとすると、ついつい楽をしたい意識が勝ち、自分が勝てる可能性が高くて、やや安易な相手を想定しがち。

 やる気を出すには、そういう相手はふさわしくない。勝って当たり前の相手を対象にしたのでは、結局のところ、あまりやる気が出ないし、時に負けることがあったりすると、ひどいショックを受けかねない。

 自分より、やや実力が上と見なされる相手をライバルに据えれば、「負けたくない。負けるものか」と全力を尽くすから、仕事に身が入る。自分よりも現時点で上のレベル、なかなか勝てそうもない相手を選んでこそ、競い合い、さらに抜き去る気持ちが強まり、やる気も出るのである。

■自分自身を競争相手にすれば、どんな場所でも、どんな時でも、やる気を出すことができる。■

 他人と競争するのもいいが、いつもいつも他人とばかり張り合うのではなく、時には自分自身と競争するという方法もある。

 「彼に勝ちたい」というのは、どちらかというと周囲からの評価基準を重視したものであり、相手がいないと仕事への熱意が鈍ってしまいがちだ。いざ「気合を入れよう」と思っても、自分一人では入れられず、やる気が起こらないというのでは、真に心もとない。

 自分自身を競争相手にすれば、どんな場所でも、どんな時でも、やる気を出すことができる。

 別段、むずかしいことではない。ある仕事を五時間かけてやっていたとしたら、「明日からは、所要時間を三十分縮めてみよう」というような、今までの自分との競争でいいのである。

 つまるところ、人生は自分自身との闘いなのである。弱点、欠点を抱えた今の自分に対する競争心から、やる気を喚起するのが、最善、最良の方法ということになりそうだ。

 自分自身と競争しようとする人には、座右の銘を持つことがお勧め。

 世の中に、「継続は力なり」といった座右の銘を持っている人は多いもので、自分の好きな言葉、自分の信じる言葉が、気力がくじけそうになった時、まるでムチのように心に気合を入れてくれ、思いも掛けないやる気の起爆剤になってくれることがある。

 その言葉も、単に心で念じているのではなく、机の前に張り出したり、紙に書いて持ち歩くことで、よりいっそう心理的効果を高めてくれるものだ。

 例えば、ただ心の中で「必ず試験に合格してみせる」と決意していただけでは、自分を甘やかしてしまいやすいが、「必合格」と紙に書いて視覚化しておけば、見るたびにやる気が奮い起こされる。

 こういう座右の銘を壁に張っておく際には、言葉は語尾がはっきりとした、断定口調にするのがいい。強い断定口調は、自分に確信めいたものを与え、説得力につながっていく。

 この意味で、よく受験生の部屋の壁に「必勝」、「目指せ東大」などと書いた紙が張ってあるのは、やる気を鼓舞するための簡潔な言葉として、なかなか効果的な役割を果たしているはず。断定のもう一つの効用は、言葉が短くなり、一見して目に飛び込んでくるものになりやすいということだ。

 自分のやる気を喚起する言葉をいくつか持っていてもいいが、特別の一つを選んで集中したほうが、より効果は高い。

 

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