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∥聴覚刺激の心理的効用∥

 

■食べ物や飲み物などによる味覚面からの刺激が、人間の精神の興奮や緊張を呼び起こし、やる気を喚起する。■

 私たち人間の肉体に備わっている五官を刺激することで、仕事や勉強に対する、やる気を引き出すことも可能である。

 まずは、食べ物や飲み物などによる味覚面からの刺激が、人間の精神の興奮や緊張を呼び起こし、やる気を喚起することについて、述べていこう。

 この味覚からやる気を喚起する方法は、いくらでも考えられる。若者の人気を集めているメンソール系のキャンディーや、非常に辛い菓子を口にすることで、口の中がヒリヒリしたり、スースーしたりすれば、思わずやる気が出てくるような気がすることだろう。

 また、仕事中に気分転換してやる気を出すために、お茶やコーヒーを飲んだり、たばこを吸ったりする人は多いもの。午前中と午後に一度ずつ、十分から十五分の時間を割いてお茶やコーヒーを飲むのは、一時的に仕事から離れることによって、気力を一新し、仕事の効率をよくする、と信じている人も多い。

 実際、仕事や勉強に限らず何事も、ただダラダラと時間を過ごせばいい、というものではない。いい加減に取り組んだ十時間と、集中的にこなした三時間とを比べたら、後者のほうが質的にもはるかに優れた成果をもたらす、と見なしてよい。

 長時間連続の仕事などは見る見る、集中力を欠いて能率が落ち、ちょっとした休憩などを挟むと、その後しばらく高能率になるということも、実証されているところ。ひとまず仕事や勉強から離れると、集中力や前向きの気持ちが出てくるのは、確かなのである。

■■人間もビジネスの場に臨んで、ここ一番のやる気や闘志を出したい時は、意識的に大きな声を発してみたらいい。■■

 仕事に飽きた時は、しばらく休んで、いつも楽しんでいるお茶やコーヒー、ココアを少し濃いめに入れて飲むのも、一案である。

 もともと、この種のカフェインと称する興奮剤を含む飲料は、無意識に気合を入れ直し、やる気を引き出すために飲まれていることが少なくないので、意識的に飲めば、さらにやる気も出るはず。

 濃いコーヒーの香りをかぐ、緑の木々の香りをかぐなど、味覚以外に嗅覚(きゅうかく)でやる気を出すという方法もあるし、同じ意味で、たばこを吸うことも、心をくつろげ、気分を転換するのに役立つだろう。

 「これを仕上げたら一服するんだ」と思いながら仕事をする気分は、愛煙家でなければ味わえない妙味であろう。とかく弊害ばかりがクローズアップされがちな喫煙ではあるが、紫煙をくゆらせることから生ずる気分のくつろぎによって、悠々としたペースで、仕事をすることができる人もいるのである。

 味覚、嗅覚と同様、聴覚からやる気を引き出す方法もある。

 武術に代表されるスポーツの世界では、大きな掛け声を上げて気合を入れ、やる気を出そうとする姿が、よく見受けられるところ。剣道のけいこでは、「エイ、エイ、オウッ」と大声を発することによって、竹刀に精魂をこめる。空手の選手は、ふだんのあいさつから「オッス」と掛け声を出し合うのを習慣にしている。

 ビジネスの世界では、大声を出したところで、やる気の喚起と全く無関係と思うかもしれないが、実は効果があるのだ。

 野生動物の場合、自分の生存を懸けた激しい闘争に臨んで、きばをむき出しながら、ほえたり、うなったりする。彼らは大声を出して体を緊張させ、自分の大声を自分の耳で確認することによって、いっそう緊張度を高め、相手に飲まれないだけの気力、闘志を湧かせている。

 人間もビジネスの場に臨んで、ここ一番のやる気や闘志を出したい時は、意識的に大きな声を発してみたらいい。気合が入り、仕事へのやる気も高まって、重要な交渉で相手に圧倒されることがなくなるし、自分の主張したいことをいうだけの気迫も出てくる。

■自分の気持ちを高揚させてくれる曲を一つ持って、折に触れて耳にするだけでも、仕事や勉強に向かう意欲が違ったものになってくる。■

 意識的に大きな声を出すことと同様、人によっては歌を歌うことによって、やる気が出る場合もある。

 歌を歌うことには、沈みがちな気分をプラスの方向へと変える効果が認められる。ただ単に大きな声を上げるよりも、リズムがあるから、いっそう声に出しやすいという利点もある。

 音楽を聞くのもまたよい。日本各地のお祭りはもちろん、世界各国のお祭りをみても、必ずといってよいほど、気持ちを盛り上げてくれる威勢のいい音楽を伴っている。音楽は人間の心に働き掛け、祭りを盛り上げていくのに、必要不可欠な要素なのである。

 音楽による聴覚刺激の心理的な効用には、各種の用途があることが確認されているが、やる気を引き出すために利用するなら、人によって好悪はあるにしても、やはり威勢のいい曲を選んだほうがよいだろう。静かなメロディーの曲より、気持ちを高揚させ、心を弾ませてくれるもののほうが、効果があるようだ。

 もちろん、歌謡曲でもロックでも、威勢のいい曲ならどんなものでもいいし、リズミカルで、軽快なテンポの曲でもいいだろう。

 心理学的、生理学的見地からいっても、リズミカルな音楽には、心に活気や自信を与えてくれる作用がある。人間が精神的に高揚した状態にある時、体内の諸器官の活動も活発になり、体内にエネルギーが蓄えられるもの。このエネルギーが、やる気や積極性を引き出す根源力ともなる。

 だから、自分の気分を高揚させてくれる曲を一つ持って、折に触れて耳にするだけでも、仕事や勉強に向かう意欲が違ったものになってくる。ベートーベンでもバロック音楽でも、懐かしい童謡でも母校の校歌でもかまわない。どれか一つ、好きな曲を決めておくとよい。

■怒りを笑いに変え、マイナスのホルモンを分泌させないことも、やる気を生み、幸せな人生を過ごすための秘訣である。■

 音楽と同様、人間に備わった笑いという行為も、やる気を奮い立たせるきっかけとなる。

 「ハッハッハ」、「フッフッフ」と笑うことで、まず不要な重苦しい緊張が解かれ、気分は明るい方向へと向かっていく。この明るい気持ちが、マイナスの気持ちを抑え、「だけどやってみよう」、「何とかやってみよう」というやる気を呼ぶのである。

 とりわけ、瞬間的に大声を出して笑うならば、前述の大声効果も加わって、いっそう効果的である。

 こういうやる気が出る、気分がいい、楽しいというプラスの状態は、感情の問題であると同時に、ホルモン分泌がかかわっている。人間が前向きな快感を得ると、大脳の深部からドーパミンが分泌し、意欲的な精神状態を作り、プラスの方向に作用するのである。

 人間は通常、ホルモンをコントロールすることはできない。だが、精神の力で感情をコントロールすることは可能である。

 ドーパミンがプラスのホルモンであれば、当然マイナスのホルモンも存在する。恐怖のホルモンといわれるアドレナリンや、怒りのホルモンといわれるノルアドレナリンなどである。逃避や不満の感情が高まった時は、必ずこれらのホルモンが分泌されている。

 怒りを笑いに変え、マイナスのホルモンを分泌させないことも、やる気を生み、幸せな人生を過ごすための秘訣である。

■落ち込んだ気分で仕事や勉強に身が入らない時には、居直ってでもいいから、腹の底から「ワッハッハ」と大笑いしてみたらよいだろう。■

 精神の力で感情を制御し、ホルモンの分泌をコントロールすることができる。しかしながら、体の中に生じる圧力は、肉体の自然機能、自然作用を使わないと、容易に消し去ることはできない。

 多くの人は肉体の自然機能、自然作用を知らないから、心を野放しにして感情を高ぶらせ、心や意識でその感情を静めようとしたり、取り除こうとしては、自己を統御できずに苦しんでいるのが常。

 そういう人こそ、試しに、「アッハッハ」と笑ってみるとよい。腹の底から、息が全部吐き出せるだろう。そして、何となくすっきりとし、気分爽快で、愉快になるだろう。

 笑うと胸の内圧が下がり、肩も垂れ、上半身がリラックスするとともに、下腹が突き出て、ヘソが天井を向き、腰がグッと締まる、というメカニズムになっている効用である。逆に、すすり泣きをまねてみれば、息を吸い込むばかりで、ついには胸苦しくなり、妙に寂しく、悲しくなるだろう。笑いと反対に、肩に力が入り、腹や腰は虚脱する、というメカニズムが働くせいである。

 体で、精神や感情に方向がつけられる。体位から、心のゆがみを是正できるのだ。

 人間とは不思議なもので、笑う習慣が身に着くと、楽しい気分になれ、笑いたくなるような現象に敏感になってくるもの。進んで笑うことで、やる気を出して仕事に取り組めるのである。

 誰もが笑い上戸を見習って、憂うつな気分、落ち込んだ気分で仕事や勉強に身が入らない時には、居直ってでもいいから、腹の底から「ワッハッハ」と大笑いしてみたらよいだろう。

 笑いたくない時でも、「フーッ」と強く息を吐くだけで、笑った時と同じ調子が出る。大事の時、「心を落ち着けろ」と自分に言い聞かせても、急に落ち着くものではないが、ただ「フーッ」と息を吐き、本来のリラックス状態を取り戻せばよい。

 

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