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∥すぐ行動する習慣を持つ∥

 

■真実の成果を得られないような、くだらぬ小事に気を使って、貴重な時間と労力を無駄に費やしてはならない。■

 前向きに、やる気を出して仕事に取り組むには、その日一日のことを計画することも大切。つまり、プランとかスケジュールとかいうことが、やる気を鼓舞し、仕事の能率を上げるために極めて重要なのである。

 プランというのは、仕事全般を長期に渡って見通すものである。スケジュールというのは、現在の問題、明日とか明後日の仕事をどう処理するかという、毎日毎日の計画である。

 世の中には、「仕事が多すぎる」と愚痴る人が多いが、そのような人の大部分は、毎日毎日のスケジュールを作ることが下手なのである。日常の仕事の整理もせず、つまらぬ仕事まで抱え込んで、その雑事に押しつぶされているのだ。

 スケジュール作りがうまくいかないのは、困難な仕事をつい先に延ばしたいという意識が、人間に働きがちだからでもある。

 もちろん、ほかの簡単な仕事や、やりやすい仕事から着手し、それを弾みにして困難な仕事に取り掛かるというのなら、やる気の出し方の一つである。気を付けたいのは、単に嫌な仕事を先に延ばしたいという、逃げの気持ちでやってしまうこと。この場合は、うまくこなせば次への弾みになるはずの仕事も、ただダラダラとこなしているだけで、一向に能率も上がらないはず。

 編集子がお勧めしたいのは、その日にやらなければならない仕事を全部リストアップし、重要なものから優先順位をつけていく方法。

 書類の作成は最重要課題なのでA、机の中の整理はE、企画書作りはBなどランクをつけてしまえば、何から取り掛からねばならぬか一目瞭然(りょうぜん)。重要度がわかると、やる気の出しどころもわかってくる。

 朝、仕事に取り掛かる前に、その日一日の仕事を書き出して、真っ先にやらなければならない重要な仕事から、着手してみてはどうだろうか。

 常に、真っ先に、一番大事なことをやる習慣をつけるようにし、つまらぬことによって妨げられないようにするのだ。真実の成果を得られないような、くだらぬ小事に気を使って、貴重な時間と労力を無駄に費やしてはならない。

 この際、身近な事柄が常に、最も重要なこととは限らない点を、知ってもらいたい。誰にとっても、時間的に近接している事柄が、その瞬間には一番大切なことのように見えるもの。だが、全体を見通して、果たして本当に適当かどうかを決めた上で、実際に仕事を進めてゆく習慣を作るべきである。

■午前中は大抵の人がエネルギーが充実し、集中度が高まっている時間に相当する。午前の時間こそ、最も挑戦的な、最も創造的な仕事に当てるがよい。■

 次に、私たち人間の一日の生活時間には、リズムがあるものだから、やる気を喚起して仕事の能率を上げるためには、自分のリズムを活用し、心身両面に渡るエネルギーの上昇と下降のカーブに仕事を合わせることも、必要である。

 このエネルギーのカーブは各自によって異なるが、午前中は大抵の人がエネルギーが充実し、集中度が高まっている時間に相当する。午前の時間こそ、最も挑戦的な、最も創造的な仕事に当てるがよい。重要な契約とか会議も、精神状態が鋭敏で、活力に満ちている午前中に予定を組むように配慮すれば、大いに効果が認められるはずだ。

 逆に、決まり切った仕事、重要でない仕事には、エネルギーの充実した時間を割り振らないこと。精神的、肉体的に自分の能率が下降し、やる気の水準が次第に落ち込みかかった時に、より受動的な仕事に切り替えればいい。日課の仕事を片付けるとか、一休みするのである。

 今の企業社会の実情を見ると、大抵の人は一番気合が乗って、やる気に満ちている朝の時間に、手紙の処理、帳簿の照合、昨日の残務整理など平凡な日常業務にかかり切っていて、本当に大事な、創造的な仕事に取り組む頃には、頭の回転が鈍くなっているのではないだろうか。

 人間には一日二十四時間の生体リズムがあり、精神的、肉体的な効率は毎日、周期的に変化している。一日のうちには、効率の最も高い時と最も低い時があるが、この効率の上昇、下降というものは毎日、だいたい同じ時刻に起こる。

 これが効率の型で、大抵の人は朝食後一時間ぐらいでピークに達し、その後効率は徐々に落ちて、午後四時ごろに最低となり、夕食後はわずかに上昇し、また次第に下降するパターンを繰り返している。

■ビジネスマンに限らず誰もが、今できることを後に延ばすな、今日できることを明日に延ばすな。■

 人間の生体リズムを大いに活用して、仕事に意欲的に取り組んでもらいたいものだが、同じ時間に同じ労力で、より多くの仕事をこなすために、即時処理というよい方法もある。

 即時処理とは、自分がやろうと決めたことは何事であれ、ほとんど反射的に、即座に着手するということである。

 この即時処理のちょっとした習慣、技術を身に着けた人は、例外なく、仕事が楽しく、やる気や活気が生まれ、効果的にやれるようになる。

 即時処理を基準に判断し、実行できる人は、交渉相手を訪問するのを引き延ばしているうちに、競争相手に注文をさらわれてしまうこともない。今日中に作らねばならぬ報告書を翌日まで延ばして、上司から叱られることもない。自分が今、やらなければならないことや、やろうと思ったことは、すぐにその時、その場で片付けてしまうからだ。

 もし、一度で片付けられないことがあった場合は、再度できる時間を決めておいて、その時間に間違いなく着手することである。

 すぐ着手するということは、事柄を記憶したり、書き留めたり、はじめからやり直したりする労力と時間を省く。また、一つの事柄を長く心の中に抱いていることから生じるストレスを解消するという効果も、認められる。

 手紙の返事を書く必要がある場合は、即座に書く。意思決定をしなければならない場合は、すぐ下す。仕事に役立つアイデアが浮かんだら、すぐ出す。

 当然ながら、事柄によっては熟慮を要し、時間をかけて考えなければならない問題もあるにしろ、重要度の低い事柄や急を要する事柄は、すぐ迷わず着手するほうが得策。

 ビジネスマンに限らず誰もが、今できることを後に延ばすな、今日できることを明日に延ばすな。「今すぐ」はやる気につながり、物事を成し遂げるが、「いつか」、「いずれ」、「明日」、「次の週」、「後で」などいう考え方は嫌気につながり、失敗をもたらす場合が多い、ということを銘記してほしい。

■大工などの仕事ぶりを観察していると、熟練した人ほどリズミカルに動いていることに、気が付くだろう。■

 毎日の会社の仕事にやる気を出して、能率的に遂行するに当たっては、即時処理の実行で無駄を省き、失敗を防ぐと同時に、リズミカルに行うことも大切になる。

 大工、左官、庭師、土工などの仕事ぶりを観察していると、熟練した人ほど体がリズミカルに動いていることに、気が付くだろう。頭脳的な仕事をする場合の心身のリズムも、同じ理屈である。能率の悪い人は、何か一事を始めても完全にやり終えないうちに、中途半端なところでほかのものに手を出したりして、仕事に少しもリズムが感じられない。

 そういう人は、一定の時間、決して無駄で余計な意識を使わず、一つの仕事だけに熱中するようにすれば、おのずとリズムが生まれてきて、能率が上がるものである。

 といっても、やたらに根を詰めて仕事をするように、勧めているのではない。むずかしい仕事を一気に片付けようとしては、誰でも息が続かなくなる。途中でペースを調節しながら気力を一新し、能率をよくする工夫をしなければならない。

 三時間仕事に集中したら、十分間だけ仕事に変化をつけるという方法もある。仕事に変化をつけるとは、休むことを意味するのではなく、気分転換に役立つようなほかの仕事をやるのである。適当に気分を変えながら仕事をしていれば、やろうという気力や思考力がスランプに陥るようなことはない。

■あれこれ考える前に、思い切って自分の体を動かすことが、やる気の発動につながる。最初に一歩を踏み出す。そうしてはじめて、状況は動く。■

 そのほかにも、会社においてやる気を喚起しながら仕事をする上で、実行可能な工夫がいろいろある。

 例えば、頭脳を明敏にしたり、日常業務でない特殊な問題に注意を集中するために、短時間自分一人になって考えたいと思うのだったら、静かな喫茶店や図書館を利用するのもよい。座席のすいている時間を見計らって電車に乗り、環状線を二、三回回ってみるのもよい。

 天気のよい日だったら、会社の屋上も考える場所になるだろう。あまり人が混んでいない公園のベンチ、美術館、博物館も、まとまった自分の時間を持ち、新鮮な気持ちで落ち着いて物を考えるのに適している。

 このように工夫はいろいろあるが、ビジネスマンが物事を成し遂げるための要点は、すぐ行動する習慣を身に着けること、精神が自分を動かすのを待っていないで、自ら精神を動かす工夫を試みることに尽きる。

 「仕事が嫌だなあ」などと考えないで、まずその仕事に飛ぶ込み、体で専念してやってみればいい。あれこれ考える前に、思い切って自分の体を動かすことが、やる気の発動につながる。最初に一歩を踏み出す。そうしてはじめて、状況は動く。

 ほんのちょっとした行動を起こすだけで、状況は大きく変わり、仕事、あるいは勉強に集中するきっかけを作ることになる。パソコンに向かうだけでもいい。自席に着くだけでいい。書類をペラペラとめくるだけでもいい。鉛筆を手に持って、ノートに何でもいいから書いてみるだけでもいい。

 とにかく、行動することが大切。書類を眺めたりしていれば、次第に「やはり、今のうちにやっておいたほうがいいかな」という気持ちも生まれてくる。そこで「よし」と、やる気を出せばよい。

 

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