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レーベル病



比較的急激な視力低下で始まり、視神経が委縮する遺伝性視神経症

レーベル病とは、片目また両目の比較的急激な視カ低下で始まる遺伝性視神経症。レーベル遺伝性視神経症とも呼ばれます。

主として、青年から中年の男性に多くみられます。母系遺伝を示す遺伝病であり、ミトコンドリアDNAの塩基配列に点突然変異が起こり、酸化的リン酸化効率の低下により、同一家系内で発症することがあります。誘因として、多量のアルコールや、たばこの摂取、糖尿病、頭部外傷などの環境因子が関与します。特発性視神経炎が発症の契機となることもあります。

症状としては、片目また両目に、急性または亜急性の視力低下が起こり、視野の中心部分が欠ける中心暗点を伴います。その後、数カ月の間に、眼底にある視神経乳頭の耳側より委縮が徐々に始まり、1年以内に視神経全体が委縮に至ります。最終的には、視野の中心部分が強く欠ける中心暗点となって、多くの場合は視力は0.1以下となります。

レーベル病の検査と診断と治療

レーベル病の検査 としては、蛍光眼底造影、視力検査、視野検査、画像検査、電気生理学的検査、心電図検査、遺伝子検査が行われます。

レーベル病の急性期では、通常両目に異常が認められ、視神経乳頭は発赤、腫張(しゅちょう)し、血管は著しく拡張しています。委縮期では、視神経乳頭の耳側の蒼白(そうはく)化が進行し、血管の拡張はみられなくなります。

視神経乳頭の変異、比較的急激な視力低下、遺伝子解析による特異的なミトコンドリアDNAの変異が確認されれば、レーベル病と診断できます。

明らかな有効性が確認された治療法はないので、ビタミン剤、循環拡張剤などの処方が行われます。副腎(ふくじん)皮質ホルモン(ステロイド剤)の投与もされていますが、多くの場合は無効です。コエンザイムQ剤の投与も試みられていますが、有効性が確認されているわけではありません。

西洋医学では視力回復が難しいとされていますが、東洋医学の鍼灸(しんきゅう)治療では、視力がかなり回復しているケースも報告されています。

生活上の注意点として、過度の喫煙、過度の飲酒を避けます。また、糖尿病や高血圧を合併した場合は、コントロールを十分によくすることが大切です。

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