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リトルリーグ肩
リトルリーグ肩とは、少年期の野球のピッチャーに最も多くみられる肩の障害の総称。リトルリーガーズショルダーと呼ばれます。
特に、満9歳から12歳までの少年少女たちを対象とした野球組織であるリトルリーグに所属していたりする、小学生高学年から中学生の野球のピッチャーなどが、利き腕を後方に引き上げてから力を入れて前方に振り下ろす動作を繰り返すことで、肩を酷使して発症することが多くみられます。バレーボールやバドミントンの選手が発症することもあります。
15歳未満の成長期では、骨や関節、筋肉がまだ未発達なため、繰り返すボールの投球動作などでストレスを繰り返し受けることによって、利き腕の上腕骨上端部の成長軟骨に障害が起こり、肩の痛みを発生します。
まず、上腕骨骨頭の成長軟骨である骨端(こったん)線に損傷が起こり、投球動作をした時や肩周辺を押した際に痛みを感じます。放置したまま投球動作を続けると、骨端線が離開して骨折のような状態になることがあります。
初めは、投球動作をした時だけの痛みであることが多く、肩の付け根の前方に鈍い痛みがあって速いボールを投げることができなくなります。そのほかの日常動作ではほとんど痛みが出ないのですが、損傷や離開が進行していくと日常の動作でも痛みを訴えるようになります。痛みの範囲は、肩関節を中心に肩甲骨や鎖骨周囲、上腕外側にみられ、前腕に至る場合もあります。
肩にだるさを感じ、腕が上がらないこともあります。発症初期はみられませんが、症状が進行するとともに、肩周囲の筋肉の委縮を起こす場合があります。
骨端線は骨を成長させる重要な部分なため、治療せずに放置すると上腕骨の成長障害を起こすことがあり、腕の長さが短くなったり、肩の動きが悪くなったりすることがあります。
リトルリーグ肩の症状としては、まず一球の投球動作で急に痛みが出ることは少ないので、徐々に痛みがある時は要注意です。
整形外科の医師による診断では、問診をしたり、上腕の内旋運動と外旋運動を強制して関節の動きを調べ、上腕上端部の成長軟骨に沿って圧痛がある場合に、リトルリーグ肩を疑います。
X線(レントゲン)検査を行い、成長軟骨やその隣接する骨に損傷がみられれば骨端線損傷、いわゆるひびや骨折状態であれば、完全な離断がなくても骨端線離開と確定します。
整形外科の医師による治療では、安静が基本となります。従って、投球動作の禁止を指示した上で、除痛や消炎目的で消炎鎮痛剤を処方したり、三角巾による固定を行います。また、転位のある骨端線離開では、整復処置とギプス固定などを行う場合もあります。
固定後約3週間が経過したら、自動運動による運動療法を開始します。骨端線の修復が完成されるのに要する期間は、その損傷の程度により3カ月から6カ月と見なされています。
修復の完成後にキャッチボールを許可し、完全復帰までは早くても6カ月、場合によっては1年以上を要することもあります。また、スポーツに復帰する場合には、再発防止のために投球フォームなどのスポーツ動作のチェックや指導を行い改善していくことがあります。
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