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裂足症
裂足(れっそく)症とは、足の先天異常で、足の中指(第3指)が欠損して、指間(指の股〔また〕)にV字状の切れ込みが生じ、足指が2つに裂けたような外観を示す疾患。
中指の欠損に、人差し指(第2指)や薬指(第4指)の発育不全を伴うこともあります。重症になると、人差し指、中指、薬指の3指が欠損したり、隣り合う2つの足指がくっ付く合趾(し)症(合指症)や、足指の数が6本以上となる多趾症(多指症)を合併します。
両足の足指に生じたり、手の手指の欠損が生じる裂手症を合併することもあります。
出生2万人に対し1人の頻度で裂足症は生じ、男児に多くみられます。優性遺伝が認められる場合もあります。
形成障害(発育停止)に分類されるものの、しばしば合趾症を合併することから、分化障害(分離不全)に近い状態と考えられています。
単独でみられるほか、EEC症候群(裂手裂足・外胚葉異形成・口唇口蓋裂症候群)などの先天奇形症候群の症状の一部としてみられることもあります。
軽症では、普通の靴が履きにくい、あるいは履けないなどの支障がみられます。重症では、歩行困難などの機能障害がみられます。
生後すぐ、裂足症は産科で気付かれることが多いため、足指以外に内臓疾患の合併がないか、小児科でも診てもらうことが勧められます。また、整形外科などでも診てもらい、美容的、機能的な観点から手術を行うべきかどうか相談することが勧められます。
整形外科、ないし形成外科、足の外科の医師による診断では、視診で容易に判断できますが、趾骨の状態をみるためにX線(レントゲン)検査を行います。
整形外科、ないし形成外科、足の外科の医師による治療では、外見上の改善と足指の運動機能向上を目的に、手術を行うことが第1選択となります。
手術では一般的に、離れた足指を引き寄せ、指間の高さをそろえつつ、V字状の切れ込みを閉鎖ないし狭くします。普通の靴が履けずに困る場合は、足指の付け根の骨である中足骨(ちゅうそくこつ)を切除し、移動することもあります。
親指(第1指)と人差し指などの間に合趾がある場合は、同時に、隣り合う2つの足指を分離し、指間を作る手術を行います。
裂足症では、機能を持つ足指の数を5本にすることはできません。V字状の切れ込みの形態を整え、少ない足指の数で形態的にバランスの取れた、役に立つ足にすることが手術の目標となります。
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