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離断性骨軟骨炎
離断性骨軟骨炎とは、関節軟骨の下にある軟骨下骨が壊死(えし)を起こし、その部分の骨が表面の関節軟骨の一部とともに、関節の中にはがれ落ちる疾患。多くの場合、剪断(せんだん)型骨端症と見なされています。
軟骨下骨が壊死を起こす原因には、かかりやすい素質と外傷が考えられます。関節の運動によって、はさみ切る力である剪断力が働くと、壊死部は離断されて関節遊離体(関節ねずみ)になります。遊離体の数は1個ないし数個で、多数のことはありません。
発生部位は膝(しつ)関節、肘(ちゅう)関節に多く、股(こ)関節、足(そく)関節にもみられます。骨と関節軟骨の結合がまだ不完全な思春期ごろの男子に多く、しばしば両側性にみられます。
膝関節にみられる離断性骨軟骨炎は、大腿骨顆間窩(だいたいこつかかんか)の内側顆に面する関節面に好発します。10~20歳のスポーツをする男子に多く、関節面間での衝突や繰り返される外力によって、軟骨下骨の損傷と壊死が生じ、骨軟骨片が離断すると考えられます。
初期の症状は、軽い膝関節痛や腫(は)れを自覚する程度で、安静にしていると痛みは落ち着きます。しかし、夜に痛みが出ることも少なくありません。壊死が進行すると、階段の昇降や走ることが困難になります。病巣が離断して遊離体になり、この骨軟骨片が関節内を動き回って関節軟骨の間に挟まると、激痛が生じます。歩行の時にも痛みを感じるようになり、膝の曲げ伸ばしができなくなったり、関節水症なども起こります。
肘関節にみられる離断性骨軟骨炎では、壊死の大部分が上腕骨小頭の軟骨下骨に生じ、大きさは直径1cm程度です。13~17歳の男子によくみられ、特に野球の投手に多くみられるため、野球肘(ひじ)とも呼ばれます。症状は、膝関節の場合とほぼ同様です。
整形外科の医師による離断性骨軟骨炎の診断は、症状とX線所見によります。詳しい情報を得るためには、X線断層撮影やMRI、CT、骨シンチグラフィなどを行います。
膝関節にみられる離断性骨軟骨炎の治療は、年齢と進行の程度によって異なります。10歳前後の骨の成長期に当たる骨端線閉鎖以前で、骨軟骨片が動いていない初期から中期では、ギプスで膝を固定して松葉杖(づえ)を使い、体重による負荷をかけないようにする免荷療法を長期間行います。
関節鏡を使っての骨穿孔(せんこう)術(ドリリング)も有用で、骨軟骨片への血流改善が期待できます。病巣が進行すれば、自分の骨で作った釘(くぎ)や骨に変わる人工のピンなどで、骨軟骨片を固定する骨釘(こってい)固定術という手術を行います。
すでに離断して長期間たってしまった場合は、骨軟骨片の固定は困難で、骨軟骨片を手術で摘出します。最近は骨軟骨移植が行われるようになり、手術成績も向上しています。
肘関節にみられる離断性骨軟骨炎の治療は、発症早期には肘の安静を保つ保存療法を行います。進行すると、手術が必要になります。
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