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溶連菌感染症
溶連菌感染症とは、A群β溶血性連鎖球菌、略して溶連菌という細菌がのどに感染して起こる疾患の総称。溶連菌はよくいる有り触れた細菌の一つです。
一般的に乳児が感染することは比較的少なく、感染したり発症したりするのは幼児や学童が中心で、幼稚園や小学校で秋から春にかけて、溶連菌感染症が集団発生することもあります。
すでに感染している人の近くにいたり、感染者のせきから出た空気中の溶連菌を吸い込んだりすることで感染します。潜伏期間は1日~7日とされ、38〜39℃の突然の発熱で始まり、のどが痛みを伴って真っ赤にはれます。そのほかの症状としては、吐き気、嘔吐(おうと)、頭痛、腹痛、筋肉痛、関節痛、中耳炎、首のリンパ節のはれなどがあります。この段階では、風邪との区別が付きません。
発熱から半日~2日後になってから、直径1ミリぐらいの赤くてやや盛り上がった発疹(はっしん)が、かゆみを伴って現れます。発疹は首、胸、わきの下などに現れ、少しずつ増えて全身が赤く見えるようになります。顔はほおだけが赤く目立ち、口の回りには発疹は出ないのが、一つの特徴です。3日~4日後には、舌がイチゴのように赤くプツプツするようになります。これをイチゴ舌と呼びます。
合併症がなければ1週間前後で解熱し、発疹も3〜7日で消えて一般状態もよくなります。2〜3週間ほどで、指先、わきの下の皮がむけ、手のひら、足の裏が膜のように大きくむけることがあります。発疹が軽快すれば、跡は残りません。
また、溶連菌の中でも特殊な毒素を出すタイプに感染すると、高熱とともに全身の皮膚に赤い発疹が強く出ます。これがいわゆる猩紅(しょうこう)熱で、昔は死亡することもある疾患として恐れられ、明治時代に法定伝染病に指定されて、発症すると隔離されました。現在では抗生物質を正しく使用し、合併症を予防すれば完治が可能となったことから、1999年に施行された感染症新法により、法定伝染病ではなくなりました。そのため、一般の溶連菌感染症の一つとして扱われています。
注意の必要な合併症には、急性腎炎(じんえん)、高熱と関節の痛みといった症状が出るリウマチ熱、アレルギー性紫斑(しはん)病などがあります。治療を行わなかった場合、これらの合併症は症状が治まってから1〜2週間後、感染者の2~3パーセントに現れます。顔のむくみ、赤い尿、動悸(どうき)、息切れ、関節痛などの症状が現れた場合も、注意が必要です。
高熱や発疹のある場合はもちろん、のどのはれが2日以上治まらない時は、早めに小児科などの医療機関を受診します。なお、高熱や発疹などの特徴的な症状が現れるのは4歳以上の場合が多く、乳児の場合は軽症で、単なるのど風邪の症状のみであることがあります。
多くの場合は、臨床症状で診断が可能です。最近は、のどの抗原の迅速検査が、外来診断の主流となっています。確実に診断するには、のどや鼻の粘膜から綿棒で採取した検体の培養検査、血液による抗体の検査が必要となります。
医師による治療では、溶連菌に有効なペニシリン系の抗生物質を内服で用いるのが一般的です。ほかに、鎮咳(ちんがい)剤や去痰(きょたん)剤などのいわゆる風邪薬を併用することもあります。発熱に対しては、必要に応じて解熱剤を内服します。皮膚のかゆみに対しては、抗ヒスタミン薬の内服、または軟こうを使用します。
数日で抗生物質の効果が現れて、熱が下がり、発疹も目立たなくなります。皮膚は乾いて、皮がむけます。
しかし、症状が改善されても、溶連菌はのどに残っていることがあるので、再発や他人に感染させる可能性があります。急性腎炎やリウマチ熱などの合併症を予防するためにも、2週間程度は確実に抗生物質の服用を続けることが大切となります。
症状が改善した後も、2週間~3週間後に尿の中に血液が混じっていないかを検査し、完全に治ったかどうかは、抗生物質の服用をやめてから、のどの粘膜の培養検査をして確かめる必要があります。繰り返しに感染する可能性もありますので、侮れません。家族内で感染する例も30〜50パーセントあることにも、注意が必要です。
薬を飲んでいる間は、安静を保ち、うがいと手洗いをしっかりと行い、なるべく刺激の少ない食事を取るように心掛けます。のどの痛みが強ければ、無理に食べなくてもかまいません。
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