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翼状陰茎



陰茎の腹側の皮膚と陰嚢の前面の皮膚が融合し、翼状を示す奇形

翼状陰茎とは、男性の陰茎の下側と陰嚢(いんのう)の上側の皮膚がくっついている状態。

先天的な形質状の奇形で、胎児期の皮膚の発生において、陰茎の下側の皮膚の欠損が生じ、陰嚢の上側の皮膚と融合することによって発症すると考えられています。

陰茎を持ち上げると、接着した部分が翼状あるいは水かき状の外観を示します。その結果、陰茎が小さく見えたり、陰茎が陰嚢に埋もれて見えたり、陰嚢が陰茎にぶら下がって見えたりすることがあります。

陰茎からの排尿など機能上の問題は少ないものの、尿道下裂、尿路奇形、尿路感染症、精巣上体炎などを伴うことがあります。

尿道下裂は、尿道の出口が陰茎の先端になくて、陰茎の途中や陰嚢などにある状態で、陰茎の上側の包皮が過剰なため、陰茎が下に向くことが多い先天的な尿道の奇形です。精巣上体炎は、陰嚢内に左右各1個あって卵形をしている精巣の上面、および後面に付着している精巣上体に、炎症が起こる疾患です。

翼状陰茎の問題の主体は、美容上です。多感な幼少期に、周囲の子供と陰茎の形状が異なることは、本人にとって十分な心的外傷(トラウマ)になり得ます。そのためにも、翼状陰茎の発症者に対しては、周囲の十分な配慮が必須です。

また、生殖年齢になっても翼状陰茎が自然に消失していない場合、病状によってはパートナーの女性との性行為の際に陰茎を膣(ちつ)に挿入することが困難となり、性交困難症を二次的に引き起こす可能性もあります。

翼状陰茎の多くは、両親などが異常に気付いて、小児泌尿器科、泌尿器科を受診します。大多数は成長に伴う改善が期待できますが、高度な場合は医師による手術を要します。

翼状陰茎の検査と診断と治療

小児泌尿器科、泌尿器科の医師による診断では、生下時からのエピソードの問診、陰茎の外観の観察による視診、ならびに触診を行います。画像診断などを行わなくても、ほとんどは容易に判断されます。

診断に際しては、矮小(わいしょう)陰茎(ミクロペニス)、埋没陰茎などとの鑑別を行います。

小児泌尿器科、泌尿器科の医師による治療では、翼状陰茎は成長に伴い、正常化することが多いとされているものの、生下時より異型性が非常に強い場合や、成長に伴う改善が十分にみられなかった場合、生殖年齢になって性交困難症を示すような二次的な実害がある場合においては、形成手術を施行します。

形成手術では、陰茎に付着している部分で陰嚢の皮膚を横に切開して、陰茎、陰嚢の両方とも皮膚を縦に縫合することで形成します。基本的には局所麻酔でも実行可能な、体への負担の少ない手術です。

尿道下裂を伴っている場合は、包皮を用いて尿道の出口を新しく作り、曲がった陰茎をできるだけ真っすぐにし、必要なら亀頭の形成も行います。

成長に伴う翼状陰茎の改善を待つ場合、多感な幼少期に形質の違う性器を持っているというで、深い心的外傷(トラウマ)を形成する可能性もあります。性器に関連した深い心的外傷(トラウマ)は、三次的な実害として、心因性(機能性)勃起障害(ED )を引き起こしかねないので、十分な注意が必要です。

医師による心因性勃起障害の場合の治療は、カウンセリング、性的教育などが主体となりますが、薬物療法を用いることもしばしばあります。

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