健康創造塾 健康実用辞典 健康創造塾 健康実用辞典 健康創造塾 健康実用辞典 健康創造塾


房室回帰性頻拍



発作があると危険な頻脈性の不整脈

房室回帰性頻拍とは、脈拍が速くなる頻脈性の不整脈を生じる疾患の一つ。WPW症候群(Wolff-Parkinson-White syndrome)とも呼ばれます。

不整脈は、一定感覚で行われている心臓の拍動のリズムに、何らかの原因によって乱れが生じる疾患です。

1915年ころから房室回帰性頻拍の存在が知られ始め、1930年に多くの症例についての詳しい報告がなされ、世に知られるようになりました。この際の3人の研究者であるウォルフ、パーキンソン、ホワイト各博士の頭文字から、WPW症候群とも名付けられました。

血管系統の中心器官である心臓には、4つの部屋があります。上側の右心房と左心房が、血液を受け入れる部屋です。下側の右心室と左心室が、血液を送り出す部屋です。4つの部屋がリズミカルに収縮することで、筋肉でできている心臓は絶え間なく全身に血液を送り出すことができるのです。このリズムを作っているのが心臓の上部にある洞結節(どうけっせつ)と呼ばれる部分で、1分間に60~80回の電気刺激を発生させて、心臓を規則正しく収縮させています。この電気刺激が正常に働かなくことによって、拍動のリズムが乱れる不整脈が生じます。

房室回帰性頻拍の多くの原因としては、右心房と右心室、左心房と左心室の間にケント(Kent)束と呼ばれるバイパス(副伝導路)が存在することによって、電気刺激の旋回(空回り、リエントリー)が起こることが挙げられます。

通常は洞結節から発した電気信号は心房を経由して心室へと伝達されますが、この疾患では電気信号が通常のルートのほかケント束を経由する2つのバイパスを伝わるため、一度心室に伝わった電気刺激がバイパスを伝わって再び心房に戻ってしまう時に頻拍が起こります。電気刺激が回路を旋回し続けてしまい、心房と心室が絶え間なく拍動し、頻脈性の不整脈となってしまいます。

主な症状は、脈が突然速くなったり、動悸(どうき)が突然生じたり消えたりします。さらに、胸部に違和感があります。頻拍が長時間続くと、心機能が低下してうっ血性心不全になる場合もあります。

しかし、バイパスがあっても症状が出る人は一部で、多くは健康診断などで発見されるまで、自覚症状がないため気付かずにいます。

従来は危険性のそれほどない疾患として高血圧、高脂血症、肥満、喫煙等の生活習慣をコントロールすることで改善されることがあるとだけされてきましたが、1980年代からの研究により、心房細動から心室細動に移行したケースがあることが判明し、危険な不整脈であると位置づけられたため、発作がみられた場合は即座に循環器科、内科循環器科、内科などの医師に診察してもらう必要があります。

房室回帰性頻拍の検査と診断と治療

循環器科、内科循環器科、内科などの医師による診断では、心電図検査で房室回帰性頻拍が見付かり、危険度の高いタイプかどうかもわかります。

循環器科、内科循環器科、内科などの医師による治療では、動悸がない場合は、治療は必要ありません。

脈拍数が150回以上で、突然始まって突然止まる動悸、あるいは全く不規則に脈が打つ動悸がある危険度の高い場合は、不整脈を抑える薬を飲み続けて発作を抑えます。カテーテル焼灼法(カテーテルアブレーション)といって、鼠径(そけい)部などから管を挿入し、バイパス部分を焼いてしまう根治療法も行われています。 

危険度の高いタイプでなければ、経過をみていけばいいのですが、禁煙と肥満解消を心掛け、食事などによる高血圧や高脂血症の予防と改善が大切です。過激な運動、過労や睡眠不足、不摂生、強いストレスなどは発作の引き金になるので注意が必要です。

コンテンツのトップへ戻ります ページのトップへ戻ります ホームへ戻ります

健康実用辞典のトップへ戻ります ページのトップへ戻ります ホームへ戻ります


Copyright 2003〜 kenkosozojuku Japan, Inc. All rights reserved.