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扁平苔癬



四肢の関節部、体幹などに、淡紅色で平らに盛り上がった発疹ができる皮膚疾患

扁平苔癬(へんぺいたいせん)とは、四肢の関節部、体幹、外陰部などに、淡紅色ないし紫紅色で平らに盛り上がった発疹(はっしん)ができる皮膚疾患。炎症性角化(かくか)症の一つです。

原因はいまだはっきりとしていませんが、ある種のリンパ球が皮膚の細胞を攻撃する異常な免疫反応のために起こる疾患と考えられるようになってきました。降圧剤、脳代謝促進剤などの薬剤が原因で生じた扁平苔癬のような発疹は、扁平苔癬型薬疹として扁平苔癬とは区別します。

過去にはカラーフィルムの現像液に触れて誘発されるものがよく知られていましたが、最近はC型肝炎やエイズウイルスなどの感染症に合併するケースが多くなっています。

20歳前後に好発し、女性にやや多くみられます。症状としては、扁平に隆起するエンドウマメ大までの淡紅色ないし紫紅色、多角形の発疹で、表面に蝋(ろう)のような光沢がみられ、かゆみがあります。手背や四肢の屈側に多く現れますが、体幹にも生じます。発疹が散在することも、密集することもあり、時には帯状に配列したり、融合した局面を形成することもあります。

ケブネル現象といって、繰り返しこすったり、傷付いたりした個所に、数日してから新しい発疹が出てくることもあります。口唇や口腔(こうくう)粘膜に、網状の乳白色の発疹が出ることもあります。また、爪(つめ)の変形を起こすこともあります。

発疹の消退後は、色素沈着または色素脱失を残すこともあります。

医学的には、線状扁平苔癬、いぼ状扁平苔癬、鈍性扁平苔癬、水疱(すいほう)性扁平苔癬、急性扁平苔癬、色素性扁平苔癬などの特殊型を区別する場合もあります。

扁平苔癬の症状に気付いた場合、皮膚科、あるいは皮膚泌尿器科を受診し、診断と治療を受けたほうがよいでしょう。

扁平苔癬の検査と診断と治療

 皮膚科、皮膚泌尿器科の医師による診断は、特徴的な皮疹とその分布、経過から判断します。確定診断には、発疹の一部を切って顕微鏡で調べる組織検査を行います。また、C型肝炎やエイズウイルスと関連することもあり、血液検査を行います。 薬疹として扁平苔癬になることもあるため、薬剤との関連も調べます。

医師による治療では、ステロイド系外用剤が多く用いられています。治りにくい場合には、ステロイド含有テープの使用や光線療法も行います。

光線療法は、紫外線の増感剤であるメトキサレン(オクソラレン)を発疹部に塗り、長波長紫外線UVAを当てる治療で、PUVA(プーバ)療法といいます。扁平苔癬が全身にある重症の場合、入院して内服のメトキサレンを使用してPUVA療法を行う場合もあります。紫外線を当てることで、異常な免疫反応が抑制され、効果が得られると考えられています。

ただし、皮膚への障害が少ないUVAとはいっても、長期間に渡る場合は将来の発がんの危険性を高める可能性もありますので、照射する総量を一定量以下にしておく配慮が必要とされます。妊娠中は、胎児への影響がわかっていないので行いません。近年、PUVA療法に代わる光線療法として、特定の紫外線波長を利用したナローバンドUVB療法も利用されるようになってきています。

口唇や口腔粘膜の発疹には、ビタミンA類似物質であるレチノイド(チガソン)の内服が効果があることがあります。かゆみには抗ヒスタミン薬を使用します。

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