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ボタロー管開存症(動脈管開存症)



本来は自然閉鎖されるボタロー管が残った先天性心臓病

ボタロー管開存症とは、出生により本来は自然閉鎖されるボタロー管が残った先天性心臓病。イタリアの外科医ボタロー(1530〜1571)が発見した疾患で、動脈管開存症とも呼ばれます。

胎児の時のボタロー管、すなわち動脈管は開いていて、肺動脈から大動脈に血液を送る重要な役目を持ち、胎盤からもらった酸素の多い血液が下半身へ通っていきます。出生によって肺が呼吸をすると、肺動脈から肺静脈へと血液が回り、ボタロー管は自然閉鎖する仕組みになっています。

本来は自然閉鎖されるボタロー管が出生後も残ったボタロー管開存症では、大動脈圧が肺動脈圧より高くなるため、心臓を出て大動脈へ行った血液がボタロー管を通って、再び肺動脈へと流れ込むことになります。そのぶんの血液は、肺血管と左心房、左心室を空回りします。結果として、左心室の負担と肺動脈圧の上昇が起こり、肺高血圧は右心室の肥大や拡大を招きます。

ボタロー管開存症の症状としては、運動時の息切れ、動悸(どうき)があり、感染(細菌)性心内膜炎にかかりやすくなります。

ボタロー管開存症の検査と診断と治療

出生時におけるボタロー管の開存は、生後1日から7日くらいではプロスタグランジン合成阻害剤により、閉鎖する場合もあります。この方法で閉鎖しない場合は通常、外科的手術が行われます。

手術は通常、人工心肺を用いないで、ボタロー管を切り離したり、しばって血行を止める結紮(けっさつ)により行われます。心臓を切開して内部を見ながら行う開心術を必要とせず、開胸術、すなわち胸腔(きょうくう)切開術のみによってできるので、成績も極めて良好です。ボタロー管開存症では、左のわきの下から胸腔にメスを入れ、ボタロー管を切断するか、しばります。

また、ボタロー管が細い場合には、心臓カテーテル法によって、ボタロー管を人工栓で閉塞(へいそく)する方法がとられることもあります。

子供の場合の手術は、比較的短期間の入院ですむことがほとんどで、予後も非常に良好。通常、ほかの子供たちと同様に生活していけると見なされています。手術を実施する時期は1歳から7歳くらいまでがよいのですが、重症例では新生児でも行われます。

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