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副甲状腺機能高進症
副甲状腺(せん)機能高進症とは、副甲状腺ホルモンが過剰に作られるために起こる疾患。
副甲状腺は大きさは4〜5ミリぐらいで、甲状腺の周囲にある臓器。多くの人は4つ持っていますが、3つあるいは5つ以上持っている人もまれではありません。ここで作られる副甲状腺ホルモンは血液中のカルシウム濃度を一定の範囲内に調節しています。健康な人では、血液中のカルシウムが減ると副甲状腺ホルモンが増加し、骨に蓄えられているカルシウムが血液中に溶かし出されてカルシウムが正常な濃度に戻ります。
副甲状腺機能高進症になると、骨に変化を来し、血液中のカルシウムの量が増加します。
原因は、副甲状腺にできた腺腫(せんしゅ)、がん、肥大などによります。このうち8割以上は腺腫で、この場合は4つある副甲状腺のうち1つが腫大します。
がんの場合には、副甲状腺が大きく腫大し、血液中のカルシウム量の増加も高度であることが多く、予後は不良です。肥大は4つの副甲状腺のすべてが異常になるもので、多発性内分泌腺腫症という遺伝的な疾患に合併して起こることがほとんどです。
症状は、血液中のカルシウムが増えるために倦怠(けんたい)感、筋力低下が常にみられます。また、便秘、食欲不振、吐き気、嘔吐(おうと)、腹痛も認められます。
さらに、カルシウムが腎臓(じんぞう)に沈着して腎臓結石ができやすくなり、ひどくなると腎石灰化症という状態になり、腎臓の機能が著しく低下してきます。同時に、副甲状腺ホルモンが過剰になると、骨を壊す機能が高まり、骨の皮質が薄くなって、病的骨折を起こしやすくなります。
最近は、健康診断などで血中カルシウム濃度を測定する機会が増えたため、偶然、発見されて診断に至る例が増えています。
内科、内分泌代謝内科の医師による診断では、血液中の成分を測定すると、カルシウムの量が増加しているほか、無機リンは減少し、副甲状腺ホルモンは増加しています。次に、腫大した副甲状腺を頸部(けいぶ)超音波検査、CT、シンチグラフィなどの画像検査により確認します。腫大が軽度の場合には見付からないこともあります。
医師による治療は現在のところ、早く診断をつけて、外科的に副甲状腺腫瘍を切除するのが一番の方法です。
腺腫では、1つあるいは2つの腫大した副甲状腺だけを切除します。肥大では、すべての副甲状腺を探し出し、一番正常に近いと考えられる副甲状腺の一部を残して、他の副甲状腺をすべて切除します。症例によってはすべての副甲状腺を切除し、そのままでは副甲状腺機能低下症になってしまうので、通常、1腺の半分だけを前腕などに移植します。こうしておくと、万が一副甲状腺機能高進症が再発しても簡単に切除することができます。
がんでは、周囲組織を含めて広範囲に切除します。手術前にがんの確定診断がつくことはほとんどありませんし、手術中に行う組織の顕微鏡検査で悪性かどうかの判断は困難ですので、手術中の医師の判断が重要です。
治療が遅くなると、腎臓の機能が低下し、ついには尿毒症になります。
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