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ビタミンH
ビタミンHとは、ビタミンB群の一種で、水に溶けやすい水溶性ビタミン。ビオチンとも、補酵素Rとも呼ばれています。
ブドウ糖や脂肪酸、アミノ酸などの代謝や合成にかかわっています。血糖値の維持、皮膚や髪の健康維持、貧血予防に効果があるとされています。
最近では、アトピー性皮膚炎の治療にビタミンHが使われています。ビタミンHと併用して、皮膚の炎症を抑える働きがあるビタミンA(βカロテン)、ビタミンC、ビタミンEなどと組み合わせて、治療に使われてもいます。
アトピー性皮膚炎は体内にできたヒスタミンという物質が原因になっていますが、このヒスタミンの元になるヒスチジンを体外に排出する働きが、ビタミンHにあるからです。
また、肌の潤い不足や、かさつき、脱毛が気になり始めた人には、お勧めの栄養素になります。
もしビタミンHが不足してしまうと、体内のエネルギーが不足して、疲労感、脱力感、倦怠(けんたい)感、うつ症状などが起こってきます。抜け毛が多くなったり、色素が脱色して髪が白くなったり、皮膚が不健康な状態になり湿疹(しっしん)が多くなったり、皮膚炎や結膜炎になる場合もあります。
ビタミンHは、牛や豚のレバー、いわしやさば、さけ、にしん、かきなどの魚介類、卵、大豆、ピーナツ、クルミ、牛乳やヨーグルトといった乳製品、トマト、ほうれん草、にんじん、たまねぎ、玄米、白米などに多く含まれています。
いろいろな食品に幅広く含まれているだけでなく、腸内の細菌によって作り出されるので、ごく一般的な食事をしていれば摂取量が不足することはあまりありません。
厚生労働省策定の「日本人の食事摂取基準2010年版」では、ビタミンHの必要量は1日、成人男女で50μg(マイクログラム)、妊婦は+2μg、授乳婦は+5μgとしています。取りすぎても害になることはないため、上限は定められていません。
また、保健機能食品制度では、ビタミンHを1日摂取量当たり14~500μg含む食品には、その機能を表示することができます。
ビタミンHとともに、腸内環境を整える食物繊維やビタミンCを一緒に取ることで、吸収率が高くなるとされています。逆に、生卵を1日に5~6個以上食べると、脱毛や皮膚炎、倦怠感が起こってきます。
生卵の卵白(白身)に含まれるアビジンという蛋白(たんぱく)質が、体内でビタミンHと結び付いて、腸からビタミンHが上手く吸収できなくなるためです。ただし、卵を加熱調理して、半熟や目玉焼きにすれば、アビジンがビタミンHに結び付かなくなり、腸での吸収がスムーズになります。1日に大量の卵を食べる時は、一度火を通して食べるのがよいでしょう。
また、病気治療のために長期間、抗生物質を使用している場合や、フェノバルビタールという睡眠薬を使用している場合に、ビタミンHを吸収するための腸内細菌が十分でないことがあり、欠乏症が現れてくるケースがあります。
健康食品などサプリメントでは、純粋にビタミンH(ビオチン)を摂取することができます。
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