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病院
病院とは、医師や歯科医師が疾病や疾患を持つ患者に医療を提供する施設のこと。医療法の定義では、「患者20人以上の入院施設を有するもの」とされています。
すなわち、ベッドの数(病床数)が20以上の入院施設を持っているものを病院と呼び、ベッドの数が19以下のものを診療所(医院、クリニック)として区別しています。
診療所の場合は、通院治療や在宅診療を主に、病気や健康に関する疑問や心配に対応するプライマリーケア(初期診療)を行うのが一般的ですが、病院の場合は、通院治療に加えて入院や手術を必要とする病気やけが、高度な医療技術や機器を必要とする病気などに対して、科学的かつ組織的に医療行為が運営されている必要があります。
そのために、平成4年に医療法が改正され、患者の病状に応じて病院を選択しやすくなるようにと、一般的な治療を行う一般病院、地域医療の中核となる病床数200以上の地域医療支援病院、高度の専門的医療を提供する特定機能病院などに区分されるようになりました。
病床の種類は医療法によって区分されており、現在は一般病床、療養病床、精神病床、結核病床、感染症病床に分けられていますが、それに沿って病院も一般病院、療養型病床群、精神科病院(精神病院)、 結核療養所(結核病院)、感染症病院に分類することができます。
そのほか、よく使われる病院名としては、総合病院、大学病院、専門病院、療養型病院(俗称・老人病院)、救急指定病院、救命救急センター、基幹災害拠点病院(基幹災害拠点医療センター)地域災害拠点病院(地域災害拠点医療センター)、国立病院・療養所(国立病院機構)、国立高度専門医療センターがあります。
病院の管理者(病院長)は医師や歯科医師でなければなりませんが、開設者にはさまざまな母体があり、主なものとして国、公的機関、社会保険関係団体、医療法人、個人、その他に大きく分けることができ、このうち約60パーセントが医療法人によって占められています。
病院の開設者となる国の母体としては、厚生労働省(高度専門医療センター、ハンセン病療養所)、独立行政法人国立病院機構(旧・国立病院・療養所)、国立大学法人(国立大学医学部の附属病院)、独立行政法人労働者健康福祉機構(労災病院)がり、、その他の国の機関として防衛省(自衛隊病院、防衛医大病院)、法務省(医療刑務所、医療少年院)、宮内庁(宮内庁病院)、国立印刷局(国立印刷局東京病院)があります。
病院の開設者となる公的機関の母体としては、都道府県および市町村、地方独立行政法人(公立大学法人〔公立大学附属病院など〕)、日本赤十字社(赤十字病院)、恩賜財団済生会(済生会病院)、北海道社会事業協会(帯広協会病院ほか)、全国厚生農業協同組合連合会(JA病院)、国民健康保険連合会があります。
病院の開設者となる社会保険関係団体の母体としては、全国社会保険協会連合会(社会保険病院)、厚生年金事業振興団(厚生年金病院)、健康保険組合及びその連合会、船員保険会(船員保険病院ほか)、共済組合及びその連合会(共済病院ほか)、国民健康保険組合があります。
病院の開設者となるその他の母体としては、社団・財団等の公益法人(聖路加国際病院、警察病院ほか)、学校法人(私立大学附属病院)、社会福祉法人、日本生活協同組合連合会医療部会、会社(株式会社のJR各社、NTT東日本、日本郵政〔逓信病院〕、東芝、東急など)、その他の法人(宗教法人など)があります。
病院では、さまざまな職種(資格)によって組織が構成されており、医師を始めとして看護師や薬剤師、医療事務など、病院の規模にもよりますが30種類以上の職種があります。
このような医療従事者の多くが国家資格や都道府県資格などによる専門職で構成されており、主なものには次のような職種があります。
医師、歯科医師、看護師、准看護師、薬剤師、助産師、栄養士、管理栄養士、診療放射線技師、臨床検査技師、臨床工学技士、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、視能訓練士、義肢装具士、歯科衛生士、歯科技工士。
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