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乳腺炎



乳房の炎症性疾患の代表

乳腺(にゅうせん)炎とは、乳汁を分泌する乳腺に炎症が起こる疾患で、急性のものと慢性のものがあります。

急性乳腺炎のほとんどは、授乳期、ことに産褥(さんじょく)期にみられ、うっ滞性乳腺炎と化膿(かのう)性乳腺炎の2つに分けられます。慢性の乳腺炎には、授乳期以外に膿(うみ)の塊ができる乳輪下膿瘍(のうよう)があります。

急性うっ滞性乳腺炎は、若い初産の女性の出産後2~3日のころによくみられるもので、乳管からの乳汁の排出障害があるために、乳房の腫(は)れと軽い発赤と熱感が起こります。痛みはあっても、激しい全身症状はでません。

初産の場合、乳管が狭いので乳汁が乳腺内に詰まってしまうことが、その原因と考えられています。乳児への授乳が十分でない場合にも起きます。

急性化膿性乳腺炎は、出産後2~6週のころに乳腺内に乳汁がたまり、ここに主にブドウ球菌による細菌感染が起きて、乳房全体に腫れが生じます。炎症が進むと、乳房が硬く赤く腫れて、激しく痛み、熱感があります。

その後、炎症が1カ所に固まってくると、膿瘍を作り、時には自然に破れて膿が外に出ることもあります。わきの下のリンパ節が腫れたり、全身に寒けや震えが出て、時に40℃以上にも発熱することもあります。

急性化膿性乳腺炎を予防するためには、乳汁をためないように積極的に授乳をして、乳腺を空にしておくことと、乳頭を清潔にして細菌感染を防ぐことが大切。

乳輪下膿瘍は、授乳やホルモン分泌とは関係なく、若い女性によくみられる疾患です。乳輪の下に痛みのある硬いしこりができては破れて、膿が出ることを何回も繰り返します。陥没乳頭の人に多くみられますが、乳首が陥没していない人でもみられます。

乳管の膨大部に、乳管の細胞の老廃物、ケラチン破片などがたまり、刺激して、主に無菌性の炎症を起こします。膿瘍ができるころには、混合感染もみられます。 

それぞれの疾患に対する治療法

急性うっ滞性乳腺炎の治療としては、乳汁のうっ滞を取り除くために、乳房を温めて血液の流れをよくし、乳頭と乳輪をよくマッサージして授乳を続ければ、症状はすぐにとれてきます。また、乳首を乳児がくわえやすいような形にしておくなどの工夫も必要です。

急性化膿性乳腺炎の治療としては、初期には乳房を冷湿布して、乳汁は搾乳器で搾り出します。乳房は安静を保つためブラジャーなどで固定し、マッサージはしてはいけません。

抗生物質の注射か内服と、鎮痛薬、消炎薬の内服をします。抗生物質ではペニシリンやセフェム系の薬がよく使用されますが、耐性菌を生じやすいので注意が必要です。

化膿が進み膿瘍ができたら、注射針を刺して膿を吸引したり、局所麻酔をかけて皮膚を切開して膿を出さなければなりません。これらの治療が功を奏すると、急速に症状は改善します。膿瘍ができた場合、抗プロラクチン薬で乳汁分泌を抑制します。もちろん、授乳はストップしなければなりません。

乳輪下膿瘍の治療としては、炎症性の膿瘍と拡張した乳管の切除と、炎症の元になっている陥没乳頭が外に出る形成処置との両方を行わなければ、必ずといっていいほど再発します。まず抗生物質などで炎症を鎮静させて、それから根治手術を行います。

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