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二陰茎体 


男児が2本の陰茎を持って生まれる先天性疾患

二陰茎体とは、男児が2本の陰茎を持って生まれる先天性疾患。陰茎重複症とも呼ばれます。

極めてまれな先天性障害であり、最古の記録は、1609年にスイス人医師のヨハネス・ヤコブ・ウェッカーが残した「イタリアのボローニャで2つのペニスを持つ男性の遺体を確認した」というもの。アメリカにおいては、550万人に1人の発生率とされています。

妊娠23日目から25日目の胎児において、生殖結節、および直腸から胎児中胚葉(ちゅうはいよう)の尾部細胞塊が尿生殖洞として分離し、最終的に陰茎を形成する過程で、体節構造を決定する遺伝子群であるホメオティック遺伝子の変異による異常形成、損傷、ストレスなどの影響により、二陰茎体が発症すると考えられています。

陰茎が2つに分かれているだけのものから、互いに少し離れた位置に同じ大きさの2本の陰茎がそれぞれ左右を向く形で独立して存在するもの、際立って大きさの違う2本の陰茎が独立して存在するもの、通常の1本の陰茎の上に小さな1本の陰茎がついているものなど、多岐にわたる二陰茎体の例があります。

排尿は、両方の陰茎から可能な場合もあれば、片方からのみ可能な場合もあり、会陰(えいん)の開口部からのみ可能な場合もあります。

長じてからの射精は、ほとんどは片方の陰茎からのみ可能ですが、両方の陰茎から可能な場合、2本の陰茎が完全に独立して機能し、一方で排尿しつつ、もう一方で射精することも可能な場合もあります。

陰嚢(いんのう)内に左右各1個あって卵形をしていて、男性ホルモンおよび精子を産生している睾丸(こうがん)、すなわち精巣は、2組4個ではなく、1組2個存在します。

二陰茎体や、これに関連する疾患を持って生まれた男児は、しばしば腎臓(じんぞう)、脊椎(せきつい)、肛門(こうもん)および直腸の先天性重複異常による複雑な内臓構成を持つため、これらの臓器と関連する種々の感染症により死亡する率が高くなっています。

また、先天的に脊椎骨が形成不全となって起きる神経管閉鎖障害である二分脊椎(にぶんせきつい)症、脳脊髄液による脳の圧迫が脳機能に影響を与える水頭(すいとう)症を合併することもあります。

生まれた男児に二分脊椎が発生している場合、二分脊椎の発生部位から下の神経がまひして、両下肢の歩行障害や運動障害、感覚低下が起こるほか、膀胱(ぼうこう)や直腸などを動かす筋肉がまひして排尿・排便障害、性機能障害が起こることもあります。脊椎骨の奇形の程度が強く位置が高いほど、多彩な神経症状を示し、障害が重くなります。

多くは、水頭症を合併しているほか、脳の奇形の一種であるキアリ奇形、嚥下(えんげ)障害、脊椎側湾、脊椎後湾、脊髄空洞症を合併することもあります。

二陰茎体を発症して長じた人は、ほかの先天性疾患を合併したり、性交渉の困難さから、子供を残せない例が多く認められます。中には、女性のパートナーとの間に子供をもうけている人もいます。

この二陰茎体の父親を持って生まれた男児の多くは、通常の陰茎を持っています。

二陰茎体の男児の多くは、今後の人生を考慮し、小児外科、外科などの医師により、生まれた時や幼少時に2本の陰茎を1本に接合する手術、あるいは2本の陰茎のうちの1本を切除する手術を受けています。

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