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乳頭亀裂、乳頭裂傷
乳頭亀裂(きれつ)、乳頭裂傷とは、女性が出産を経験して新生児に授乳する際に、乳頭(乳首)の皮膚にひびが入って裂けたり、傷ができたりする状態。皮がむけてしまうこともあり、状態が悪化すると出血することもあります。
誕生後1年ぐらいまでの乳児は、母親の母乳を飲んで育ちます。特に新生児のころは、1度に飲める母乳の量が少ないため、1日の授乳回数は12回ほどで、多いケースでは15回にも及びます。
新生児が口で乳頭周辺をくわえて母乳を吸う吸綴(きゅうてつ)刺激を受けることで、母乳を作る働きをするプロラクチンや、母乳を出す働きをするオキシトシンなどのホルモンの分泌が上昇し、母親は母乳を分泌するようになりますが、生まれてすぐの新生児は想像以上に強い力で乳頭をしごくように吸ってきます。
新生児が乳頭に吸着するたびに、わずかな不快感や痛みが起こることがあります。この出産早期の乳頭の痛みは、ほとんどが母乳分泌のメカニズムが完全に機能し始めるまでに感じる一過性の乳頭痛です。多くの場合は出産後3~6日にピークを迎えて、その後母乳分泌が増加するに従って、痛みは消失していきます。
しかし、新生児が上手に乳頭周辺に吸着し、母乳を吸えない場合は、出産後すぐから始まる1日12回前後の授乳期ばかりか母乳育児をしている間はいつでも、乳頭の先端や根元の部分に亀裂、裂傷ができ、乳頭の痛みが起こる可能性があります。
新生児が乳頭を吸う力は強い上に、歯茎や舌でしごくように乳頭を刺激します。唾液(だえき)でぬれた乳頭の皮膚はふやけて傷付きやすいため、授乳中の乳頭は亀裂が入りやすく、裂傷ができやすい状態といえるでしょう。授乳時や、乳頭が下着でこすれた時に痛み、出血することもあります。
乳頭が指先ほど突出している通常の乳頭と異なって、乳頭の出っ張りが短く全体的に平たくなっている扁平乳頭、乳頭が乳房の内側に埋没している陥没乳頭だと、新生児が母乳を飲みづらく、より強く吸うことがあり、乳頭の先を傷付けることがあります。
また、新生児が効率よく母乳を飲むためには乳頭周辺を深くくわえる必要があるのですが、体勢がしっくりこない状態や添い寝で授乳をすると、乳頭周辺を浅くくわえてしまい、乳頭に余計な負担がかかって乳頭の先を傷付けることがあります。
授乳姿勢(抱き方)や新生児の口の乳頭周辺への含ませ方だけではなく、授乳後に新生児を乳頭から離す時も注意が必要です。まだ吸っているのに引っ張って引き離すと、乳頭の先を傷付けることがあります。
乳頭亀裂、乳頭裂傷ができて、そこから細菌が感染すると炎症が起き、乳口(にゅうこう)炎、乳腺(にゅうせん)炎を引き起こすこともあります。
乳頭亀裂の段階で授乳を続けられそうなら、授乳姿勢(抱き方)や、傷が当たらないような含ませ方を工夫して負担を軽くします。
まず、新生児に大きな口を開けてもらい、乳頭から乳輪部全体を含ませます。新生児が寝てしまう時は、足裏を刺激して起こして、口が大きく開いた時に首の後ろを支えてパクリと吸わせましょう。新生児の下唇と上唇がドナルドダックのように外側にめくれて、角度は130度ぐらいに大きく開きます。
次に、しっかり大きく含ませながら、傷付いた個所が新生児にしごかれないように、フットボール抱き、横抱き、斜め抱き、縦抱きなどいくつかの抱き方を行って吸ってもらい、どこか痛くない個所がないか探しましょう。片方だけの乳房の乳頭に傷付いた個所があるのであれば、もう片方だけで授乳を行い、症状の改善を待つこともできます。
新生児を乳頭から離す時は要注意で、乳頭を伸ばしながら無理やり離すのではなく、指を新生児の口角から入れるようにして透き間を作って引き離します。
傷が痛む時は、新生児がなめても大丈夫な薬を塗布しましょう。授乳後に、ピュアレーンやランシノーのような羊のオイルを塗布します。ピュアレーンやランシノーは付けたまま授乳しても差し支えありませんが、病院などで抗生物質配合の軟こうなどを処方された場合は、清浄綿などで拭き取ってから授乳をするようにしましょう。
乳頭裂傷まで進んで痛みを伴う場合は、直接の授乳を休むことをお勧めします。搾乳してほ乳瓶に移したものを飲ませるか、ミルクを飲ませてください。少し休むことで、症状は随分と改善されます。
乳頭保護器(ニップルシールド)を用いるのもよいのですが、傷の状態によっては悪化してしまう場合があります。
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