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乳房肥大症 


思春期に入る前や思春期を迎える当たり、乳房が大きくなる疾患

乳房肥大症とは、乳房が大きくなる疾患。

主な乳房肥大症には、思春期になる前の女児に起こる小児乳房肥大症と、思春期の女性と男性に起こる思春期乳房肥大症があります。

乳幼児期の女児の乳房が大きくなる小児乳房肥大症

小児乳房肥大症は、乳幼児期の女児の乳房がはれたり、乳房にしこりができるもの。早発乳房、乳房早期発育症、思春期前乳房隆起とも呼ばれます。

発生頻度は人口10万人当たり40人程度で、珍しいものではありません。2歳以下の発症が、60〜85パーセントを占めます。

乳腺(にゅうせん)と乳房が軽度に大きくなり、異常に大きくなることはありません。両側性のものがほとんどですが、片側だけの場合もあります。

通常、症状は進行せず、多くの場合2年から3年で自然に縮小し、消失します。中には、軽度のはれやしこりが5年以上持続するものがあるものの、病的な意味はなく、特別な治療も必要ありません。

小児乳房肥大症の原因は明らかでありませんが、下垂体ホルモンや卵巣ホルモンの分泌の一過性の高進や、これらのホルモンに対する乳腺の感受性の一過性の高進などが原因の一つと考えられています。

乳房の大きさが増したり、恥毛や腋毛(わきげ)が生えてきたり、初潮の発来が早すぎたり、身長の伸び方が急激すぎたりする場合は、小児乳房肥大症以外の疾患の可能性を疑う必要があります。

疑われるのは、思春期早発症などのホルモン分泌異常による性早熟や、副腎(ふくじん)などの内分泌疾患で、このような場合は経過をみて小児科、小児内分泌科を受診し、検査を受けて区別する必要があります。

思春期において乳房に過度の成長を生じる思春期乳房肥大症

思春期乳房(乳腺)肥大症は、女性の乳房が成長してくる思春期において、乳房に過度の成長を生じる珍しい疾患。乳房肥大症の一種です。

原因は、卵巣から分泌されている女性ホルモンであるエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)などに対する乳腺の過敏反応です。

具体的な症状は、両方の乳房の過度の肥大、あるいは片方の乳房のみの過度の肥大で、発症するのは、初めて月経を経験する初潮の1年前後です。

肥大の程度は、人によってさまざまですが、短期間で急成長するのが特徴で、重症の場合は、乳房の重さが片方で10キログラムを超えることもあります。極度の重症の場合は、30キログラムにも過度に肥大化し、陰核の肥大を伴うこともあります。

この急成長は、身体的な不快感を引き起こします。その主な症状は、乳房の皮膚の赤みやかゆみで、時に乳房全般の痛みを生じます。乳房の重さのせいで、ブラジャーのストラップが肩にへこみをつくり、その慢性的な刺激によって消えない傷跡を残すこともあります。

そのほかにも、頭痛や頸(けい)痛、上背痛、腰痛、指のまひや痛みを併発します。

異常に気付いたら、婦人科、乳腺外科、外科、形成外科を受診することが勧められます。また。乳房が過度に肥大することで、特に思春期で大きな悩み、心の負担になるような場合は、美容外科や美容皮膚科などを受診し、美容的な乳房の外科手術などを受けることも勧められます。

また、女性に限らず、思春期を迎えた男性もホルモンの影響など女性化によって、思春期乳房(乳腺)肥大症を発症し、乳房が肥大することがあります。

本来、男性の乳房は女性の乳房のように発育しませんが、乳房に膨らみや、しこりが現れたり、自発痛や圧痛を感じることがあります。これを思春期乳房肥大症、あるいは女性化乳房症とも呼びます。

この思春期乳房肥大症は、両側もしくは片側の乳腺が一時的に増殖して、乳頭部や乳輪の下に腫瘍(しゅよう)のようなものが現れる症状をいいます。

これは、思春期の生理的なホルモンバランスの乱れによる一過性のもので、思春期の13~14歳に起こり、男性ホルモンと女性ホルモンのバランスが崩れるのが原因となって、乳腺が異常に増殖して乳房が肥大します。普通は、ほうっておけば自然によくなります。

男性の思春期乳房肥大症の多くは問題のないものですが、原因がはっきりしないものもあり、乳がんなどのほかの疾患と区別するためには、外科、乳腺外科を受診することが勧められます。また、女性のように乳房が大きくなることで、特に思春期で大きな悩み、心の負担になるような場合は、美容外科や美容皮膚科などを受診し、美容的な乳房の外科手術などを受けることも勧められます。

乳房肥大症の検査と診断と治療

小児乳房肥大症の検査と診断と治療

小児科、小児内分泌科の医師による診断では、視診、触診、超音波(エコー)検査で、乳腺の存在を確認します。血液検査で、ホルモンの異常がないかどうか確認します。

小児科、小児内分泌科の医師による治療では、特定の原因がない場合は、経過を観察します。一般に、特に治療を行わなくても、数カ月から3年以内に自然に縮小し、消失します。

思春期早発症、内分泌疾患によると考えられるものについては、そちらの治療を行います。

思春期乳房肥大症の検査と診断と治療

乳腺外科、外科、形成外科、婦人科などの医師による診断では、視診、触診と、乳がんと鑑別するための超音波(エコー)検査、マンモグラフィー(乳房X線検査)を行います。また、 血液検査で、ホルモンの異常がないかどうか確認します。

乳腺外科、外科、形成外科、婦人科などの医師による治療では、女性の思春期乳房肥大症の場合、根本的に治療する方法がないため、希望する際は整復乳房形成術とも呼ばれる乳房縮小手術を行い、余分な脂肪組織、肥大した乳腺組織、また皮膚を取り除きます。

手術後、乳房はガーゼのような包帯で覆い、手術後のはれから排出される余分な水分を排液するためのドレーンチューブを乳房に留置することもあります。通常、特別な軟らかいブラジャーを着用できるようになるまでには1週間ほどかかり、数週間は着用する必要があります。また、はれが完全にひくまでに数カ月かかります。

男性の思春期乳房肥大症の場合、原則的には経過観察のみで薬物療法などの治療は必要ありません。痛みがひどい時は、状況によって非ステロイド系の消炎鎮痛剤を使い、痛みを和らげます。

女性のように乳房が大きくなることで悩んでいる際は、女性の場合と同じく、乳房縮小手術を行い、肥大した乳腺の組織をほぼ全部、または一部切除します。

手術後、乳腺を切除した部分に空洞ができるため、血液がたまって血腫ができた場合は、ドレーンチューブを留置します。細菌が感染した場合は、抗生物質を投与したり、乳腺を切除した部分を洗浄したりしながら経過をみていきます。乳頭部や乳輪の血流障害や皮膚の壊死が起こった場合は、皮膚がゆっくり覆うのを待つ必要があります。

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