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二次性高血圧



何らかの特定される疾患があって、その症状の1つとして起こる高血圧

二次性高血圧とは、何らかの特定される疾患があって、その症状の1つとして起こる高血圧。続発性高血圧ともいいます。

原因となる疾患にもよりますが、治せる高血圧ということもできます。症状は無症状のものから、その原因となる疾患に起因した特徴的なものまでさまざまです。疾患が治れば、その症状である高血圧も解消するのが原則ですが、疾患が治っても高血圧だけが残ってしまうことがあります。この場合は、高血圧の治療が必要になります。

二次性高血圧の頻度は低く、高血圧全体の10パーセント未満で、原因となる疾患のない本態性高血圧が90パーセント以上を占めています。しかし、35歳以下の若い人に発症する若年性高血圧は、この二次性高血圧のことが多く、詳細な検査が必要になることが多いものです。また、治療でなかなか血圧が下がらない場合や、高齢者で急激に高血圧を発症した場合などに、この二次性高血圧が疑われます。

二次性高血圧は、疾患の部位などに応じて、腎性(じんせい)高血圧、内分泌性高血圧、心血管性高血圧、神経性高血圧、妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)などに分類されています。

腎性高血圧は、腎臓の疾患が原因で引き起こされる高血圧。最も頻度が高く、二次性高血圧の4分の3を占めます。高血圧を起こすのは、急性腎炎、慢性腎炎、糖尿病性腎症、痛風腎、腎盂(じんう)腎炎、腎梗塞(こうそく)、腎動脈狭窄(きょうさく)症、レニン産生腫瘍(しゅよう)、ウィルムス腫瘍、腎周囲膿瘍(のうよう)などが主なものです。

これらの疾患が起こった場合、腎臓の中を流れる血液の量が減少します。すると腎臓は、レニン・アンギオテンシン、アルドステロンという血圧を上昇させる物質の分泌量を増やします。血圧を上昇させ、腎臓へより多くの量の血液が流れるように仕向けるのです。

内分泌性高血圧は、ホルモンの分泌が異常になる疾患で引き起こされる高血圧。腎性高血圧に次いで頻度が高くなっています。バセドウ病などの甲状腺(せん)機能高進症で引き起こされることが多いのですが、原発性アルドステロン症、褐色細胞腫、クッシング症候群などの副腎の疾患が原因のこともあります。

心血管性高血圧は、心臓から出てすぐの太い血管である心血管の疾患で引き起こされる高血圧。大動脈縮窄症、大動脈炎症候群(高安病、脈なし病)などが代表的な疾患です。

神経性高血圧は、脳・神経の疾患で引き起こされる高血圧。脳の中の圧が高くなると、高血圧が起こってきます。原因となる疾患は、髄膜炎や脳腫瘍が代表的ですが、頭に外傷を受けた時や、ポリオ(小児まひ)などによる神経病の後、血圧の上がることがあります。

妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)は、妊娠に伴って起こる疾患です。高血圧、むくみ(浮腫〔ふしゅ〕)、たんぱく尿が3大症状ですが、高血圧だけしか現れないこともあります。

二次性高血圧は本態性高血圧に比べ、軽いうちから自覚症状が現れやすいものですが、 放置すると心疾患や脳血管疾患といった生命にかかわる疾患を引き起こしますので、早期発見、早期治療に努めるべきです。

二次性高血圧の検査と診断と治療

内科、あるいは循環器科の医師に診断では、まず血圧の値がどの程度変動するか、どの程度のレベルを示すかという血圧値の吟味をします。高血圧であることがわかれば、それが原因となる疾患のある二次性高血圧か、通常多くみられる本態性高血圧なのかという原因診断と、高血圧によって脳、心臓、腎臓、眼底などの重要臓器に、どの程度障害があるかという重症度診断の二つを行います。

二次性高血圧は、既往歴、家族歴、現在の検査データや経過などから、これをどの程度疑わなければならないかがかなり判明します。しかも、二次性高血圧は手術などで高血圧も根治できることがある点からも、その診断は重要で、入院しての精密検査を含めて、いろいろな検査が必要なことがあります。特に腎性高血圧が疑われる時は、静脈性腎盂撮影やCT検査が行われます。

逆に、二次性高血圧の頻度は高血圧全体からみれば10パーセント未満なので、無駄な検査はせずに必要最小限ですむよう、疑わしい時は最初から専門施設に紹介されることもあります。

二次性高血圧の治療では、原因となる疾患の治療を進めながら、必要に応じて降圧剤の投与や高血圧の食事療法と運動療法を同時に進めていきます。そして、原因となる疾患が治療されれば、自然と二次性高血圧も改善されていきます。

ただし、高血圧が長く続くと腎臓を痛めてしまうので、原因となる疾患を治しても高血圧の状態が続いてしまう慢性高血圧になってしまうこともあります。

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