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鉄欠乏性貧血
鉄欠乏性貧血とは、体内の鉄が不足することにより、赤血球の中に含まれているヘモグロビン(血色素)の産生が不十分になって、発症する貧血です。
その貧血とは、赤血球中のヘモグロビンの量が減少したり、血液中の赤血球の数が減少した状態をいいます。原因によりいくつかの種類がある中で、最も多いのが鉄欠乏性貧血。
ヘモグロビンは肺から各臓器や組織に酸素を運び、不必要になった二酸化炭素を持ち帰って、肺から外に出すなど重要な働きをしていますので、ヘモグロビンの産生が不足すると、全身に運ばれる酸素の量が減少し、体が酸素不足になってさまざまな症状が起きてしまいます。
貧血の症状としてみられるのは、めまい、立ちくらみ、頭が重い、頭痛、耳鳴り、顔色が悪い、唇の色が悪い、肩や首筋が凝る、動悸(どうき)、 息切れ、むくみ、疲れやすい、体がだるい、手足が冷える、注意力が散漫になる、などです。
鉄欠乏性貧血を発症する原因として、以下のものが考えられます。
出血が原因:傷などによる一過性の出血だけでなく、胃・十二指腸潰瘍(かいよう)や痔(じ)、子宮筋腫(きんしゅ)、胃や大腸のがんなどで、持続的あるいは反復的に出血がみられると、少しずつ鉄分を失います。
食生活が原因:偏食やダイエットなどで、食物からの鉄分の摂取が不足するような栄養バランスの悪い食事をしていると、発症します。
鉄分の需要増が原因:成長期の子供や妊娠中の女性は、鉄分の必要量が普通より多いために、貧血になりやすくなります。
激しい運動が原因:スポーツなどで激しい筋肉運動をする人は、赤血球が早く壊されて鉄分が不足しがちになります。
不規則勤務が原因:体内の鉄分は夜になると減少するため、深夜勤や不規則勤務に就いている人は、同じ食事をしていても貧血になりやすくなります。
鉄欠乏性貧血は、生活習慣の改善によって予防することができます。まず、無理なダイエットや不規則な食事を改め、鉄分の多い食品を積極的に摂取します。成人男性は鉄分を1日約12~15mg、成人女性は15~20mgの摂取を心掛けたいもの。女性は月経や妊娠、授乳のため鉄分が失われやすいので、男性より多くを必要とします。
鉄分を多く含む食品は、大豆、大豆製品、レバー、ひじき、もずく、のり、あさり、かき、ほうれん草、小松菜、切干大根、いわし丸干し、牛もも肉、まぐろ赤身など。
たんぱく質を摂取することも、大切です。ヘモグロビンは鉄とたんぱく質でできているので、肉や魚、豆腐、卵などを適量食べましょう。また、ビタミンCは鉄の吸収を促進させる働きがあるので、野菜や果物なども食べるようにしましょう。緑茶や紅茶、コーヒーに含まれるタンニンを鉄分と一緒に取ると、鉄分の吸収が悪くなりますので、食事とは時間をずらして飲むといいでしょう。
医師による治療では、鉄剤を内服します。この鉄剤には、徐放性鉄剤と非徐放性鉄剤があります。徐放性鉄剤は、胃から腸にかけてゆっくりと鉄を放出して、少しずつ吸収されるため、胃粘膜への刺激は少なく、空腹時に飲むことができます。ただ、この製剤は胃酸がないと効果がないため、胃の切除を受けた人には使えません。非徐放性鉄剤は、胃を切除した人や胃酸の分泌が低下している高齢者、低酸症の人に吸収可能な薬剤です。
徐放性、非徐放性ともに主な副作用として、悪心、嘔吐(おうと)、食欲不振、腹痛、下痢、便秘などの胃腸障害を起こすことがあります。鉄剤を服用すると便が黒くなることがありますが、心配はいりません。貧血が改善されたからといって、医師の指示なしに服用をやめてはいけません。ヘモグロビンの量が正常になっても、その後2~3カ月は服用を継続する必要があります。
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