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大頭症
大頭症とは、遺伝やさまざまな疾患を背景にして、乳幼児の頭が通常の大きさよりも大きくなる状態。大頭蓋(だいとうがい)症、巨大頭蓋症、巨頭症とも呼ばれます。
頭の大きさは、頭の周囲の一番大きい部分である頭囲の値を目安にします。頭囲は、おでこの一番出ている部分と後頭部の一番出ている部分とを通るようにメジャーで計測し、その最大値で決めます。正常な子供の頭囲は、脳の発育と一致して増加し、とりわけ1、2歳までが脳の発育が盛んなため、頭囲の増加もこの期間に大きくなります。
大頭症は、計測した頭囲の値が標準となる乳幼児の頭囲成長曲線の上限を上回った時に、判断されます。
大頭症では、頭の大きさが異常に大きくなるので、見た目にも違和感があります。出生時に大頭を示すこともありますが、2歳以前では徐々に進行する頭囲の拡大を示すことが多く、5、6歳では頭痛、うっ血乳頭(眼底にある視神経の乳頭にむくみが起きて、大きくはれ上がり、充血する状態)、嘔吐(おうと)などの頭蓋内圧高進症状を示す場合があります。
個人差はありますが、知能や運動能力の発達が遅れる精神運動発達障害や、てんかんを伴って発症することもあります。
大頭症を引き起こす疾患としては、脳の内部に4つに分かれて存在する脳室に髄液がたまる水頭症、脳の表面に髄液や侵出液がたまる硬膜下水腫(すいしゅ)、転んで頭をぶつけたり、誤って転落するなど頭の外傷のため頭の骨の中に出血した硬膜下血腫、頭の中に袋状に液がたまるくも膜嚢胞(のうほう)、脳腫瘍(しゅよう)、頭蓋骨の肥厚、代謝異常による神経細胞の肥大や増殖などを起こす神経皮膚症候群、軟骨異形成症、ソトス症候群(脳性巨人症)、コーデン病などいろいろな疾患があります。
乳幼児の頭蓋骨は何枚かの骨に分かれており、そのつなぎを頭蓋骨縫合と呼びますが、乳児期には脳が急速に拡大するため、頭蓋骨もこの縫合部分が広がることで脳の成長に合わせて拡大します。成人になるにつれて縫合部分が癒合し、強固な頭蓋骨が作られます。脳の発育が盛んな1、2歳までの時期は頭蓋縫合がまだ軟らかいので、脳が圧迫されて頭の骨の中の圧力が高くなる疾患が発生すれば、頭蓋縫合の部分が広がって頭囲がより大きくなります。
そのため、乳幼児の頭囲が標準となる頭囲成長曲線の上限に近付いたり上限以上に大きければ、脳の疾患を疑って小児科、ないし脳神経外科を受診することが勧められます。
ただし、家系的に頭が大きく、脳の障害を伴わない家族性大頭症も多くみられますので、頭が大きいからといってすべての乳幼児が疾患を背景する大頭症であるわけではありません。
小児科、脳神経外科の医師による診断では、頭囲を計測し、その値が標準の頭囲成長曲線の上限を上回った場合に、大頭症と確定します。
必要であればCT(コンピュータ断層撮影)検査、MRI(磁気共鳴画像撮影)検査を行って、脳の疾患を調べます。また、てんかんなどの疾患が関与していることがあるので、そうした疾患の検査を行うこともあります。
小児科、脳神経外科の医師による治療では、脳の検査で疾患が見付かれば速やかな処置を行いますが、疾患が見付かっても軽ければ経過を観察します。
原因が水頭症、硬膜下水腫の場合は、脳内にたまった水を腹腔(ふくこう)などに排出する外科手術を行います。
遺伝的な精神運動発達障害に対しては、精神科や心療内科によって療育を行う必要があり、物理的に障害がない場合は外科手術を行わないことがあります。
また、てんかんに対しては薬物療法を行うなど、それぞれの症状に対して処置を行います。
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