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多発性過誤腫症候群



消化管に大量のポリープができるとともに、皮膚病変が伴う遺伝性の疾患

多発性過誤腫(かごしゅ)症候群とは、消化管に過誤腫性ポリポーシスという過剰に発育した良性腫瘍(しゅよう)が多数できるとともに、皮膚の病変が伴う遺伝性の疾患。コーデン病、コーデン症候群、カウデン病、カウデン症候群とも呼ばれます。

2分の1の確率で親から子に常染色体優性遺伝し、PTEN遺伝子と呼ばれている10番染色体にある遺伝子の異常が原因で起こります。しかし、遺伝性が認められずに起こることもあります。

消化管のポリープは、食道から大腸までのすべての消化管に、大きさ数ミリまでのものが多数できます。皮膚の病変には通常、顔面や首の多発性丘疹(きゅうしん)、四肢末端の角化性小丘疹、口腔(こうくう)粘膜の乳頭腫があり、20歳代後半までに出現します。

消化管のポリープ自体が問題になることはあまりないものの、ほかの臓器の乳房、甲状腺(せん)、子宮内膜、腎臓(じんぞう)、前立腺、肺などに良性腫瘍ないし悪性腫瘍を合併します。とりわけ、乳房、甲状腺、子宮内膜には、悪性腫瘍を高率で合併します。

そのほか、小脳にレルミット・デュクロス病(小脳異形成神経節細胞腫)と呼ばれる腫瘍を合併したり、巨頭症、精神発達遅滞を合併することもあります。

多発性過誤腫症候群の検査と診断と治療

消化器科、消化器外科などの医師による診断では、皮膚の病変に、消化管のポリープを伴えば、ほぼ確定します。遺伝子検査を行うこともあります。

消化器科、消化器外科などの医師による治療では、確立した治療法がないため、対症療法を行います。その後は、全身の臓器にわたってがんが高率に合併することを予測して、乳がんの検診や甲状腺の超音波検査など定期的な検査を行っていきます。

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