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滴状乾癬
滴状乾癬(てきじょうかんせん)とは、扁桃(へんとう)炎や風邪などに引き続いて、1センチほどの水滴状の赤い発疹(はっしん)が急速に現れる皮膚疾患。滴状類乾癬とも呼ばれます。
滴状乾癬は多くの場合、突然、発症します。扁桃炎や風邪などウイルスまたは溶連菌の上気道感染の1週間から3週間後に、腹部や背中、尻(しり)などの体幹や大腿(だいたい)部に水滴くらいから1センチ大くらいの赤い発疹が現れます。
この小さな赤い発疹は、体の狭い部分に限定して現れる場合もあれば、一度に多発して体中に広まって現れる場合もあります。
一見、乾癬という皮膚疾患、すなわち表皮の細胞の新陳代謝が異常に早くなり、皮膚の細胞が垢(あか)になる角化が早く進む皮膚疾患に、よく似ていることから乾癬の一種とされていますが、症状は比較的軽く、かゆみや痛みを感じることはほとんどありません。
乾癬との大きな違いは、発疹部に集まって血管に炎症を起こしている白血球のタイプの違いで、発疹を表面から見ただけではなかなか区別はつきません。
やがて、小さな赤い発疹の表面は、垢(あか)のような銀白色の鱗屑(りんせつ)となり、その一部がポロポロとはがれ落ちます。
いったん滴状乾癬を発症すると、再発を繰り返し慢性化しやすいのですが、一度出た一つ一つの小さな赤い発疹はそう長続きせず、すぐに治る傾向にあります。再発を繰り返すと、新しい発疹と古い発疹が皮膚に混在し、古い発疹は色素沈着や、皮膚の一部の色が白く抜け落ちる白斑(はくはん)を残すことがあります。
再発を繰り返す傾向がある一方、扁桃炎や風邪がよくなると症状も改善し、自然に治癒することもあります。しかし、時には、滴状乾癬から移行して、乾癬を発症することもあります。
滴状乾癬は、男女を問わず子供から30歳未満の成人に、比較的多くみられる傾向が強いのが特徴です。
自然に治癒することもありますが、もちろん治療を受けたほうが早く治るため、滴状乾癬の症状に気が付いたら早めに皮膚科、ないし皮膚泌尿器科を受診したほうがよいでしょう。
皮膚科、皮膚泌尿器科の医師による診断は、乾癬の場合と同じように、特徴的な発疹とその分布、経過から判断します。細菌検査をすると、溶連菌、インフルエンザ菌などが検出されることがあります。
皮膚科、皮膚泌尿器科の医師による治療では、軽い場合は、炎症を抑制するステロイド(副腎〔ふくじん〕皮質ホルモン)の外用剤を用います。多くは1カ月から3カ月で治癒します。
発疹の範囲が広くて目立つ場合は、内服剤を用いたり、紫外線治療を行います。
内服剤には、かゆみに有効な抗アレルギー剤から、炎症を抑制するステロイド剤や免役抑制剤まで、多くの選択肢があります。滴状乾癬の原因が感染症であった場合、内服剤の服用によって感染が終息すれば、多くは数週間で治癒します。
紫外線治療には、波長や使用する薬の違いにより、PUVA(プーバ)療法、UVB療法、ナローバンドUVB療法などがあります。
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