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中足趾節関節痛
中足趾節(ちゅうそくしせつ)関節痛とは、足の指の付け根に位置する中足趾節関節(MTP関節、母趾球)に、痛みを生じる疾患。中足指節関節痛とも呼ばれます。
足の甲の内部には中足骨が片足に5本ずつ入っていて、それぞれ1本ずつの足指の根元の基節骨という趾節骨(指節骨)の1つと中足趾節関節を作っています。中足趾節関節とは、中足骨と趾節骨との間の関節という意味です。
中足趾節関節痛は一般に、ハイヒールやサイズの合わない靴を履いているのが原因となって関節表面がずれることから生じ、それにより関節亜脱臼(だっきゅう)、関節内壁の圧迫、関節軟骨破壊(変形性関節症)を起こし、痛みが現れます。
関節表面のずれによる関節内壁の圧迫が進行し、関節包の内側にある滑膜が炎症を起こすと、痛みとともに、軽度の熱感とはれを生じることもあります(変形性関節症の滑膜炎)。
さらに、関節表面のずれは、関節リウマチのように関節に炎症を起こすリウマチ性疾患で起こることもあり、痛みとともに、熱感、はれ、発赤が複数の中足趾節関節にみられます。
関節リウマチの発症者には、槌趾(つちゆび、ハンマートゥ)が発現することがあり、関節表面のずれや関節の痛みを悪化させる場合があります。結果的に、体重を支える時に関節のクッションの役割を担う滑液包と呼ばれる脂肪組織が、足指の下の前方に押されることがあり、クッション作用が失われます。クッション作用がなくなると、足の中足趾節関節の内部にある神経も損傷し、趾間神経痛(モートン病)を起こすこともあります。
中足趾節関節痛が感染症で生じることもあり、この場合は単数の中足趾節関節に、痛み、熱感、はれ、発赤がみられます。
中足趾節関節痛を発症すると、体重を支えたり、歩いたりする時に、足に異常な動きがみられ、痛みとこわばりが生じて支障が出ます。
整形外科、あるいは神経内科、足の外科の医師による診断では、通常、症状に基づいて判断しますが、関節炎やリウマチ性疾患、感染症が疑われる場合は検査を実施します。
整形外科、あるいは神経内科、足の外科の医師による治療では、足のアーチを整える足底板を靴底へ挿入して、最も重度に侵されている中足趾節関節に体重がかからないようにします。
変形性関節症の滑膜炎で炎症がある場合、痛みを和らげるコルチコステロイド麻酔薬の局所注射が有用なことがあります。
保存療法で効果がない時は、手術を行うこともあります。
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