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電磁波過敏症
電磁波過敏症(Electrical Hypersensitivity)とは、身の回りにある微弱な電磁波を浴びることで体が過敏に反応し、頭痛や吐き気などのさまざまな症状が現れる疾患。日本ではまだ認知されていない疾患で、アメリカの医学者ウィリアム・レイ博士によって命名されました。
電磁波対策先進国のスウェーデンやデンマークでは、電磁波過敏症は疾患として認知され、公的保健の対象になっています。また、スウェーデンでは1995年に国策として、労働者の安全と健康を守る法律を始め、コンピュータ画面からの電磁波放射の規制を制定し、その規制をクリアした製品しか販売できなくなっています。ほかにもドイツ、アメリカなど欧米各国では認知されつつあり、ケアも進められています。
世界保健機関(WHO)では、電磁波過敏症の存在を認めていますが、電磁波にさらされて起きることを裏付ける科学的根拠はまだないとしています。
電磁波には、波長の短い順にガンマ線、エックス線、紫外線、可視光線、赤外線、電波があります。ガンマ線とエックス線の2つは放射線であり、電波は波長の短いマイクロ波から、長い極超長波まであり、細かく分けられます。
レイ博士によると、電磁波過敏症の人は最初に目、皮膚、神経に症状が現れます。次に、呼吸困難や動悸(どうき)、めまい、吐き気などの症状が現れてきます。また、疲労感やうつを伴う頭痛や短期的な記憶喪失、手足のしびれやまひが起こってくる人もいます。
一方、世界保健機関(WHO)では、電磁波過敏症は人によって異なるさまざまな非特定症状を持つのが特徴であるとした上で、 一般的な症状として、発赤、チクチク感、灼熱(しゃくねつ)感などの皮膚症状や、神経衰弱症のほか、倦怠(けんたい)感、疲労感、集中困難、めまい、吐き気、動悸、消化不良などの自律神経系症状を挙げています。
電磁波過敏症の原因については、まだはっきりとはわかりませんが、電磁波によるカルシウムイオン流出や脳中心部の松果体(別名、磁気器官)からの分泌ホルモンの抑制による免疫機能の低下で、アレルギー状態になりやすいことが原因ではないかと考えられています。
この電磁波過敏症は、家電製品や携帯電話などから出る電磁波に反応して一度過敏になると、ほかの人が感じないほどの微弱な電磁波でも繰り返し反応します。症状が悪化すると、高圧送電線、携帯電話の基地局塔、電波塔、電車の中、家電製品、パソコン、携帯電話、コードレス電話、歯科のレントゲンや医療器具などにも反応し、近付くことができないなどの障害が現れます。
今のところ、主な対処方法は電磁波の発生源を避ける以外にありません。電化製品は配置を換えたり、使用頻度を少なくすることで対処し、高圧送電線や携帯電話の基地局塔には近寄らないことで対処します。
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