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早発月経

一般的な年齢より早く、10歳未満で初めての月経を迎える状態

早発月経とは、初めての月経である初潮を10歳未満で迎える状態。

女児が初潮を迎える時期にはそれぞれ個人差があり、一般的には、12歳が初潮を迎える年齢の平均とされています。

個人の生活環境、遺伝、栄養状態などによって、月経が始まる時期が早まることがあります。ほかにも、性機能をつかさどる中枢である間脳の視床下部が早期に脳下垂体刺激ホルモンを分泌するようになり、そのため卵巣機能が早期に促進されることによって、月経が始まる時期が早まることあります。しかし、視床下部が早期に性中枢としての機能を発揮するようになる原因は、解明されていません。

そのほかに、脳腫瘍(しゅよう)や脳下垂体の腫瘍、脳の外傷によって、卵巣刺激ホルモンが分泌されるようになる場合や、卵巣自体や副腎(ふくじん)の腫瘍の場合などに、月経様出血が現れることもあります。

早発月経で、月経だけが早発することは少なく、多くの場合、出現時期の差はあれ、乳房発育、恥毛や腋毛(えきもう)の発毛など、ほかの二次性徴もみられる早発思春期(思春期早発症)を伴っています。

ただし、原因によっては恥毛の発毛がみられないこともあります。また、原因によっては、皮膚のカフェオレ様といわれる特徴的な斑点(はんてん)、卵巣腫瘍による腹部の膨隆、陰核の肥大がみられることもあります。

出血は起こったり止まったりすることが多く、出血が一度だけでほかの二次性徴がみられないような場合は、早発月経ではなく外傷も考えられます。

10歳未満での出血に気付いたら、外傷などによる一度きりのものでないか、乳房、腋毛、恥毛の発育状態はどうかを確認して、早発思春期の可能性があると考えられれば、婦人科、 産婦人科を受診することが勧められます。

早発月経の検査と診断と治療

婦人科、産婦人科の医師による診断では、問診、視診、基礎体温の測定、血液検査(ホルモン検査)、X線(レントゲン)検査(骨年齢の測定)などを行います。

場合によっては、超音波(エコー)検査やCT(コンピュータ断層撮影)検査 、MRI(磁気共鳴画像撮影)検査などによる卵巣腫瘍や副腎腫瘍、脳腫瘍の検査も行います。

婦人科、産婦人科の医師による治療では、早発月経が遺伝や体質的なものから生じている場合、特に治療の必要はありません。

ホルモン分泌異常による場合、初潮から間もないころは身長が急速に伸びるものの、成長期に入ると成長が止まってしまい、低身長のままとなることもあるため、症状によっては、同時に起こる骨の成熟を遅らせ、最終身長を伸ばすことを目標として、脳下垂体機能を抑制して女性ホルモンを下げるGnRHアナログ(LHーRHアナログ)という薬剤による治療を行います。月に1回の皮下注射を行うことで、多くの場合は著しい効果を示し、二次性徴の進行停止、退縮がみられ、骨年齢の進行が緩やかになります。

ただし、すでに骨の成熟が完了していると考えられる場合は、治療の対象になりません。

卵巣腫瘍、副腎腫瘍、脳腫瘍などが原因であれば、外科手術により腫瘍を摘出した後に、ホルモン剤を投与して症状を緩和します。腫瘍の摘出が不可能な場合には、化学療法や放射線療法も行います。

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