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上顎洞がん
上顎洞(じょうがくどう)がんとは、鼻の両横に位置する副鼻腔(ふくびくう)の1つである上顎洞に発生する悪性腫瘍(しゅよう)。
上顎洞、前頭(ぜんとう)洞、篩骨(しこつ)洞、蝶形骨(ちょうけいこつ)洞と4つある副鼻腔に発生するがんでは、最も頻度が高く、日本での年間推定発症者は約1000人で、50歳以上の発症者が多く、男性のほうが女性より2倍多い傾向がみられます。
組織型としては、偏平上皮がんの頻度が最も高くなっています。
多くのほかのがんと同様に、明らかな原因は不明ですが、蓄膿(ちくのう)症とも呼ばれる慢性副鼻腔炎との関係が指摘されています。慢性副鼻腔炎を長期間患うと、上顎洞内にある多列線毛上皮が、重層偏平上皮に化生し、偏平上皮がんを発生することがあります。
初期の主な症状として、左右どちらか片側の鼻腔のみの鼻詰まり、鼻水がみられます。これは、鼻の左右両横にある上顎洞に、同時にがんが発生することはほとんどないためです。
がん細胞が周辺の組織を侵食していくと、鼻水には出血や膿(うみ)が混じり、悪臭のある粘度の高いものになります。上顎洞は上顎や目に近いため、がん細胞が巨大化すると、歯の痛みや歯肉のはれ、頬部(きょうぶ)のはれ、頬(ほお)のしびれ、眼球突出、視力障害などが現れることがあります。
しかし、がん細胞が上顎洞内だけにある場合は自覚症状がほとんど出ないので、発症に気付かず、放置してしまうこともあります。頸部(けいぶ)リンパ節への転移があれば、頸部腫瘤(しゅりゅう)が現れます。
症状があれば、設備の整った総合病院の耳鼻咽喉(いんこう)科を受診することが勧められます。
耳鼻咽喉科の医師による診断では、がんが鼻腔にまで進行していると、内視鏡の一種の鼻腔ファイバースコープで確認できることがあります。検査の結果、疑わしい病変部位が発見された場合には、病変の一部を採取し、顕微鏡で調べる生検を行います。
鼻腔ファイバースコープで病変の一部が採取できない場合は、歯茎の一部を切開して、上顎洞から病変の一部を採取します。この生検では、できた病変ががんであるかどうか確定診断をすることができます。
がんの広がり具合や、周辺の組織や他臓器への転移の有無などを調べるためには、CT(コンピュータ断層撮影)検査、MRI(磁気共鳴画像撮影)検査、超音波(エコー)検査を行います。
耳鼻咽喉科の医師による治療では、放射線治療、化学療法(抗がん剤)、手術療法を組み合わせた三者併用療法を行います。かつては上顎を全部摘出する手術療法のみでしたが、最近では三者併用療法により、上顎の温存が可能になりつつあります。
放射線治療や化学療法の効果が得られないほどに上顎洞がんの進行が進み、症状の悪化がみられる場合には、眼球や上顎の一部もしくは全部を摘出する手術療法を行います。
早期がんでは、内視鏡を鼻腔から入れ、がんを切除する方法が適用できますが、進行がんでは、歯茎を切開して上顎洞がんを切除する必要があります。
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