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爪異栄養症
爪異栄養(そういえいよう)症とは、複数の爪(つめ)の甲の表面に、波打つようなでこぼこが現れた状態。二十爪発育異常症粗造爪と呼ばれることもあります。
爪は、爪の甲と、爪の根元の皮下にあって爪を作り出している爪母、爪の甲を下で支える爪床から成り立っています。複数の爪の甲の表面に、波打つようなでこぼこが現れるのは、爪の甲のその部分が爪母で形成された時に、発育を抑制するような刺激が加わったせいです。爪の甲が根元から伸びるのに伴って、その刺激によって生じたでこぼこが次第に爪先へと移行して現れます。
食事による栄養不足や水分不足により、爪に必要な蛋白(たんぱく)質、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、ビタミンBなどが足りないと、爪の甲の表面にでこぼこが現れることがあります。過労や睡眠不足、不規則な生活が連続することにより、爪の甲の表面にでこぼこが現れることもあります。環境におけるストレスが多いことにより、爪の甲の表面にでこぼこが現れることもあります。ストレスとの因果関係が高いため、爪の甲の表面にでこぼこが見られる人は、円形脱毛症になる可能性が高いといわれています。
うつ病を患っていることにより、爪の甲の表面にでこぼこが現れることもあります。
また、爪の甲の表面にでこぼこが現れるだけでなく、縦方向や横方向の線や溝が現れたり、爪の甲が薄くなり、光沢が消え、もろくなることもあります。
爪異栄養症の症状が手足の複数の爪に現れた場合は、心身ともに疲れがたまっているサインと見なし、食事による栄養不足を解消し、ゆっくり体を休めたり、リフレッシュして心をすっきりさせることを心掛ければよいでしょう。
ただし、いくつかの疾患が合わさって爪異栄養症を生じていることもあり、見た目で扁平苔癬(へんぺいたいせん)や爪乾癬(つめかんせん)、アトピー性皮膚炎と区別が付かないこともあるので、皮膚科、ないし皮膚泌尿器科を受診して、確認してもらうことが勧められます。
皮膚科、皮膚泌尿器科の医師による診断では、症状と問診から判断します。確定診断には、爪床や爪母を含めて爪組織の一部を切って顕微鏡で調べる組織検査を行い、扁平苔癬や爪乾癬などと鑑別します。
皮膚科、皮膚泌尿器科の医師による治療では、基本的には外用ステロイド剤を患部に塗ります。内用ステロイド剤の内服で軽快することもあります。治りにくい場合には、光線療法も行います。
光線療法は、紫外線の増感剤であるメトキサレン(オクソラレン)を患部に塗り、長波長紫外線UVAを当てる治療で、PUVA(プーバ)療法といいます。近年、PUVA療法に代わる光線療法として、特定の紫外線波長を利用したナローバンドUVB療法も利用されるようになってきています。
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