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真性半陰陽



男性の精巣と女性の卵巣の両方を有する先天異常

真性半陰陽(はんいんよう)とは、男性の性腺(せいせん)である精巣(睾丸〔こうがん〕)と女性の性腺である卵巣の両方を有する先天異常。半陰陽の一種に相当します。

その半陰陽は、外性器の形態からでは男性か女性かが判断できない状態、あるいは外性器の形態と染色体によって決められる性とが異なっている状態。半陰半陽、インターセックス、両性具有などとも呼ばれます。また、この状態を有する人を半陰陽者、インターセクシュアル、両性具有者、あるいは、ふたなりと呼ぶこともあります。

胎児期の性の分化発達の過程で生じた単体奇形の一種で、その過程で細胞分裂がうまくいかなかったり、性を決定する遺伝子に異常が起こったりすると半陰陽が起こると考えられています。

半陰陽には、真性半陰陽のほか、仮性半陰陽などがあります。仮性半陰陽は、性腺は男女いずれか一方のみしかないものの、外性器の形が染色体による性別と逆になっている状態。染色体による性は男性なのに女性のような外性器を有する男性仮性半陰陽と、逆に染色体による性は女性なのに男性のような外性器を有する女性仮性半陰陽とがあります。

真性半陰陽は、半陰陽のうちでは最も高度な先天性の形態異常で、まれな疾患です。精巣と卵巣が別々に存在するものと、一つの性腺内に精巣と卵巣の両方の組織が共存するもの(卵精巣)とがあります。外性器は女性的なことも、男性的なこともあり、そのいずれとも決定しにくいこともあります。真性半陰陽の染色体は、46XXの女性型が約60パーセントを占めます。

思春期になると、精巣と卵巣からホルモンが分泌されるため、二次性徴の異常が現れてきます。男児として育てられてきた人では、女性ホルモンが卵巣から分泌されるために、生理が始まったり、乳房が大きくなったりします。女児として育てられてきた人では、精巣から分泌される男性ホルモンの作用で、ひげが生えたり、声変わりしたりします。 

真性半陰陽の多くは、出生直後に医師や看護師によって発見されます。すでに外性器の形態を見ても男女の判別ができない場合には、性別の決定に染色体や性染色体の検査が必要となることがあります。

新生児では、染色体上の性と社会生活上の性とを一致させないほうがよい場合、つまり染色体は男性型であっても女性としたほうが自然な社会生活を送れるであろうと考えられる場合もあるので、子供の性の決定に関しては、外性器や内性器の有無を参考に医師と両親がよく話し合って行います。

出生時に発見することが望ましいのですが、思春期や成人後に真性半陰陽が発見されることもあります。幼児期から早くも第二次性徴が起こった早発思春期の場合、あるいは思春期になって女児のはずなのに初経(初潮)がなかったり、陰核の肥大や多毛などの男性化が起こってくる場合、反対に男児のはずなのに乳房の肥大が認められるなどの場合には、できるだけ早く小児科、あるいは内科、内分泌代謝内科などの専門医の診断を受けるようにします。

真性半陰陽の検査と診断と治療

小児科、内科、内分泌代謝内科の医師による真性半陰陽の診断では、染色体検査や、ホルモン測定などの検査を行います。最終的には、試験開腹をし、性腺の生検をして精巣、卵巣の両方があることを確認します。

この真性半陰陽の治療で最も大事なことは、育てていく性を決めることです。一般的には、染色体や精巣、卵巣によって将来の性を決めるより、現在の外性器の状態、将来の生活、本人の希望や心理状態をも考慮して、男性か女性かを決めます。性腺は、選択した性に従って男性は精巣を、女性は卵巣を残します。精巣と卵巣が共存する卵精巣は、性のいかんによらず切除します。

真性半陰陽の子供は陰茎も腟(ちつ)も未熟なことが多いので、男性として生きていく決定をした場合には陰茎形成術を、女性として生きていく決定をした場合には腟形成術を行います。また、選択した性に応じた性ホルモンの補充療法も必要に応じて行います。

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