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セルロース



エネルギー源にはならないが、食物繊維として重要

セルロースとは、植物の細胞壁の主成分で、ブドウ糖(グルコース)が結合した単一多糖類で構成された食物繊維。繊維素ともいいます。

日常の食事で摂取する食物繊維の大部分をセルロースが占めており、特に穀類の外皮に多く含まれています。人はセルロースを分解するセルラーゼという酵素を持たないため、小腸で消化吸収されることはなく、もっぱら不水溶性(不溶性)食物繊維として機能性を発揮します。牛や馬、羊、ヤギなどの草食動物では、胃の中にセルロースを分解する微生物を持っているため、ブドウ糖を得てエネルギー源として利用できます。

人の腸内では、セルロースは異物として働き、腸内で水を吸収して膨らみ、腸管を刺激し、有害物質を吸着します。この働きから、便量の増加や便秘改善などの整腸作用、悪臭物質や有害物質を排出して腸内環境を改善する作用、腸内の善玉菌を増殖させる作用、大腸がんを予防する作用があります。

セルロースを多く含む食品には、ゴボウ、小麦フスマ、玄米、大豆、野菜があります。セルロースには独特の粘性があるため、アイスクリームやココアの増粘剤などにも利用されています。

食品以外では、セルロースは繊維、布、紙、パルプなどの形で利用され、火薬、レーヨン、セロハン、セルロイドなどの製造原料となっています。

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