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シラミ症



シラミが寄生して、皮膚がかゆくなる疾患

シラミ症とは、シラミが人体に寄生し、皮膚を吸血するために、かゆくなる疾患。

第2次大戦後、日本でも大流行し、DDTを頭から真っ白になるまで散布することで下火になりましたが、近年、幼稚園や小学校での流行がみられます。

人間に寄生するシラミには、アタマジラミ、コロモジラミ、ケジラミの3種類があり、それぞれ寄生する場所が違っていて、それぞれに疾患名がついています。

アタマジラミは、体長が2~4センチで主に頭髪に寄生し、0・5ミリほどの白い光った卵を産みつけます。毛に固着した卵は、フケとの区別がつけにくくなります。症状として頭皮のかゆみがありますが、自覚症状がない場合もあります。幼稚園や小学校で流行しているのは、このアタマジラミ症で、成虫の移動に伴って周囲に移ります。

コロモジラミは、アタマジラミと形が全く同様で、下着の縫い目の間などに潜み、下着の繊維に卵を産みつけて増加します。成虫、幼虫ともに吸血しますので、激しいかゆみを生じます。この型のコロモジラミ症は、第2次大戦後には大流行したものの、近年ではほとんど発生していないようです。

ケジラミは、体長が1ミリ前後と小型で主に陰毛に寄生するほか、わき毛、体毛、まゆ毛、まつ毛などにつくこともあります。虫自体は、毛根部に頭を入れていることが多く、見付けにくくなっています。卵は、たくさん陰毛に付着しているので、見付けられます。ケジラミの糞(ふん)で、下着に点状の赤黒い汚れがつくことで、気付くケースもあります。

症状として陰部の強いかゆみがありますが、自覚症状のない場合もあります。性行為の時に感染する場合が多いものの、まれに家族内感染もあり、幼児の頭、まゆ毛にケジラミがついている場合もあります。

シラミ症の検査と診断と治療

近年、幼稚園児、小学校の児童を中心にアタマジラミ症が流行していますが、気が付くまでにかなりの日数がかかる場合や、医療機関を受診せずにすまそうとして治療開始が遅れるケースもあります。

親、兄弟や友人などに発生していないかどうかを確認し、いじめの対象にならないよう、正しい知識を持って同時に治療を開始することが必要です。ケジラミ症の場合は、性行為のパートナーにも感染している可能性が高いので、確認して同時に治療します。

医師による検査では、頭髪、陰毛部でシラミの成虫を捕獲するか、頭髪、陰毛部に固着したシラミの卵を確認すれば、診断確定です。アタマジラミの卵は肉眼でも大体見当はつきますが、顕微鏡で見ればはっきりわかります。

治療では、フェノトリン(スミスリン・パウダー)という、非常に毒性が低くて人体にも使用できるピレスロイド系の殺虫剤を用います。頭髪部には1回7グラム、陰毛部には1回2グラム程度のフェノトリンのパウダーをまんべんなく散布し、約1時間後に入浴して、せっけんで十分に洗い落とします。これを3~4日に1回ずつ、3~4回繰り返すと、シラミは全滅します。パウダー以外にシャンプータイプもあります。

フェノトリンは虫には効きますが、卵には効かないために、卵が孵化(ふか)する時間に合わせ、数回繰り返す必要があるのです。しかしながら、いくら低毒性でも殺虫剤なので、長時間そのまま放置することはよくありません。1時間あれば、成虫は十分に殺すことができます。

シラミ症も家庭内感染を起こすので、治療は家族全員で行い、場合によっては、寝具や床などにも殺虫剤をまけば、たまたま人体から落ちたシラミによる感染も防ぐことができます。

なお、アタマジラミとケジラミは頭髪、陰毛部に卵がついているので、毛を全部そり落とすことでも治療できます。

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