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紫斑病



紫色の出血斑が皮膚、粘膜に現れる疾患

 紫斑(しはん)病とは、皮膚および粘膜に点状、斑(まだら)状の出血を起こす疾患。紫斑が多数現れ、主症状となるものの総称です。

じんましんなどの紅斑は押すと赤みが消えますが、紫斑は押しても色が消えないのが特徴です。紅斑は血管が拡張し、充血するために起こるもので、押すと血管がつぶれて中の血液が移動するので、一時的に赤みが消えます。それに対して、紫斑は皮膚または皮下組織への内出血で、血液は血管の外に出てしまっているので、押しても色は消えません。

紫斑病には、さまざまなものがあります。代表的なものとしては、単純性紫斑、慢性色素性紫斑、アレルギー性紫斑病(血管性紫斑病、シェンライン・ヘノッホ紫斑)、特発性血小板減少性紫斑病(突発性血小板減少性紫斑病)があります。

単純性紫斑は、しこりのない点状の出血斑で、四肢、特に下肢に好発します。20歳代の女性に多くみられ、合併症はなく、血液検査でも異常を認めません。原因は不明ですが、血管壁の弱さが関係するものと考えられ、アレルギー性紫斑病の軽症型ともいわれてます。激しいスポーツなどは控えて、なるべく安静にしていれば、紫色の出血斑は褐色、黄色に変わって消えていきます。過労や生理の時に悪化しやすい傾向と、春、秋に多い傾向があります。

慢性色素性紫斑は、点状の出血斑、丘疹、毛細血管拡張、色素沈着などが下肢に好発し、慢性に経過します。多くの場合、かゆみはありません。中年以降に多くみられますが、時に小児、若年者にもみられます。真の原因は不明ながら、血液の異常はないことが多く、微小循環障害と血管壁の弱さが関係するものと考えられます。時に、高血圧、静脈瘤(りゅう)を合併します。

アレルギー性紫斑病は、小児に多くみられ、主に四肢に大小さまざまな紫斑、丘疹、膨疹が出現してきます。重症例では、水疱(すいほう)、びらん、潰瘍(かいよう)が続発します。同時に、腹痛、嘔吐(おうと)、下痢、下血、食欲不振、関節痛などを伴います。合併症として腎(じん)炎を起こすこともあり、注意が必要です。

原因ははっきりとはわかっていませんが、小児では細菌やウイルスの感染によることが多く、特に溶連菌によることが多い傾向にあります。成人では薬剤アレルギーによることが多い傾向にあります。

特発性血小板減少性紫斑病は、血小板が著しく減少することによって起こる自己免疫疾患です。血小板が自身の肝臓や脾(ひ)臓で破壊されてしまって減少し、出血を止めにくくなります。急性型は小児に多く、慢性型は大人の女性に多くみられ、皮膚の紫斑や粘膜からの出血が全身にみられます。歯茎や鼻からの出血、血便、血尿、月経過多などの症状が起こります。体がだるい、熱っぽい、貧血などの症状も起こってきます。重症の場合は脳出血を起こすこともあります。厚生労働省が特定疾患として認定しています。

紫斑病の検査と診断と治療 

血液に異常のある紫斑病では、出血しないように注意することが大切です。特に特発性血小板減少性紫斑病では、脳内での出血には注意しなければいけません。小児はアレルギー性紫斑病に伴って、腎炎を続発させることが多く、血尿や蛋白(たんぱく)尿がみられます。ぶつけた覚えがないのに、紫斑ができる場合は早めに受診します。

いずれの紫斑病でも、検査で原因を見付けることが治療につながります。

アレルギー性紫斑病の治療では、症状が紫斑のみである場合、無治療で経過観察します。機械的刺激のある部分で紫斑が悪化するため、安静を心掛ける必要はあります。また、腎炎の発症の可能性があるため、定期的な尿検査が必要。

腹痛、関節痛などで日常生活が困難となった場合、入院治療が必要となります。その上で、急性期症状の改善には、副腎(ふくじん)皮質ステロイド剤の投与が有効です。特に腹痛を伴う場合では、消化管からの吸収に期待できないため、ステロイド剤を静脈内投与することが多くなります。

特発性血小板減少性紫斑病では、急性型は自然に治癒することが多いので、ほとんどの場合は経過観察します。急性から慢性へ移行する確率は、高くありません。慢性型の場合は副腎皮質ステロイド剤を投与し、それでも血小板数が増加しなければ、血小板の破壊にかかわっている脾臓を摘出することで、良好な経過を得る可能性が高くなります。なお効果が不十分な場合は、免疫抑制剤などが使われます。

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