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腎(じん)硬化症

高血圧の影響で、腎臓全体が硬くなり機能が低下

腎(じん)硬化症とは、腎臓への血流量が減るために、次第に腎臓全体が硬くなって機能が衰える疾患。高血圧が長く続くと、腎臓の血管の動脈硬化が進み、血管の中が狭くなることが、発症の原因となります。

この病変がさらに進み、腎臓が硬く小さくなったものを委縮腎といいます。健康な人の腎臓は普通、片方だけで150グラム程度なのに対して、委縮腎になると40グラム程度になることも、決して珍しくありません。

腎硬化症には、良性腎硬化症と悪性腎硬化症があります。良性腎硬化症は、疾患の進行がゆっくりした経過をとります。悪性腎硬化症は、高血圧が著しく、そのために現れる症状も激しく、急激に進行して腎不全に陥ります。

良性腎硬化症は、本態性高血圧症のある40歳以上の人に多くみられます。初めは、わずかの蛋白(たんぱく)尿か血尿がみられるだけで、腎臓機能も正常です。やがて、尿を濃縮する力が衰えてきて、やむなく老廃物や塩類などを排出するために薄い尿を作るようになり、排尿の回数が増えてきます。適切な治療を行わないと、腎不全に陥ることもあります。

悪性腎硬化症は、初期の自覚症状として強い頭痛、食欲減退、視力障害などが起こります。次第に、体重も減ってきて、吐き気、嘔吐(おうと)、けいれんなどの尿毒症の症状が現れてきます。

臨床的には、血圧は最低血圧が上昇するのが特徴で、130ミリ以上の状態が続きます。眼底には、出血や白班(はくはん)のほかに、視神経乳頭部のむくみも認められます。また、血圧上昇とともに蛋白尿や血尿も増え、腎臓機能の低下も急速に進みます。予後は不良で、適切な治療をしなければ、発症後1年から1年半以内に腎不全に至ります。

腎硬化症の検査と診断と治療

良性腎硬化症の治療は、本質的には本態性高血圧症の治療と変わりません。 軽症の腎硬化症では、月に1回程度診察を受け、降圧剤を服用します。規則正しい生活を送り、過労を避ければ、入院の必要はありません。

症状が進行し、血圧がなかなか下がらず、また心臓や脳血管に合併症が起こったり、悪性腎硬化症に移行する疑いがあるような場合は、入院をして十分な治療を受ける必要があります。

食事療法として、脂肪と糖質の取りすぎに注意し、 肥満を防止しなければなりません。特に、肉類、卵黄、バター、チーズなどの動物性脂肪の摂取は少なくします。食塩については、利尿降圧剤が使用されるので、かつてのような厳重な制限は必要ありませんが、心不全や腎臓障害の強い時は5グラム程度にとどめるようにします。

悪性腎硬化症の治療は、入院して安静臥床(がしょう)の必要があります。降圧剤を服用しても、血圧が下がらない場合は、腎臓を摘除して人工透析を行います。これで血圧が下がれば、合併症が減り、予後の改善が見込まれるようになります。

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