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産瘤

新生児の産道通過に際して、先頭で進む部分にできるこぶ

産瘤(さんりゅう)とは、新生児が母体の狭い産道を通過する際に、周囲からの圧迫によって先頭で進む部分の皮下の軟部組織にむくみが起こり、こぶ状に隆起した状態。

むくみは、皮下組織内の静脈やリンパ管など体液の流れが妨げられて、うっ血することで起こるものです。こぶの中身は、血液やリンパ液などの体液です。

多くの新生児は頭を先にして生まれてきますので、頭部に生じることがほとんどですが、まれに顔面に生じることもあります。逆子の場合は足を先にして生まれてきますので、こぶが臀部(でんぶ)や足にできることもあります。

新生児は、産道を通る際、頭の形を変形させながら通過していきます。その際、先頭となる頭、あるいは臀部や足が、子宮口や、ふだんは指2本ほどしか入らないのに新生児の頭の大きさに合わせて10センチまで開く膣襞(ちつへき)を押し広げる時に、周囲から強く圧迫されます。すると、その部分の静脈やリンパ液などの体液の流れが滞って、うっ血が起こり、その体液がたまってむくみとなり、こぶ状に隆起します。
  
産道の圧迫が強く、新生児のいる時間が長いほど起こりやすく、また、こぶ状の隆起の程度も大きくなります。そのため、初産の時や難産の時に、長時間産道にいた新生児に起こることがあります。

出生直後からみられ、それほど大きなものではなく、大きいものでも手のひらで包み込める程度の大きさです。産道を通過する際の摩擦により、表面や周囲の皮膚に擦り傷ができることもあります。普通は紫色で、しばしば点状出血を伴い、時には暗赤色のように見えます。

こぶは、触ると粘土にも似た触感がし、指で押すと軟らかく、押した跡にくぼみが残ります。正常な部分の頭皮や皮膚との境目が、あまりはっきりしてはいません。

生まれた直後は頭などの大きなこぶに驚いてしまいますが、産瘤は大抵の場合、生後24時間程度、長くても2、3日ほどで、自然に吸収されて消えます。

何の異常もない正常な出産によってもできるものなので、出産の経過で起こる自然現象の一つともいえます。さらに、産瘤ができたことで新生児に何らかの異常が起こることもありません。特に病的なものではなく、治療の必要はありません。

入浴や授乳なども通常通りに行うことができます。注意点としては、こぶ状の隆起をあまり強く押さえないように気を付けることです。

吸引分娩による吸引痕は、陰圧による点状出血と吸引カップによる圧迫の痕が、産瘤に加わってできます。頭に圧力がかかることで、頭に大きなふくらみができて、頭の形が変わったり頭に血が溜まって血腫ができたりする場合があります。それらは、そのあと自然に消えるので心配はありません。

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