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眼内炎
眼内炎とは、眼の中で起こる感染症。重症になることがあります。
細菌や真菌(カビなど)、原生動物が手術の切開部や眼球のけがから侵入する外因性のものと、体のほかの部分に感染していた原因菌が血流に乗って目に波及する内因性のものがあります。
内因性の眼内炎のほとんどは、糖尿病を患っている、抗がん剤投与を受けている、肝臓や心臓に感染症を起こしている、体が弱り免疫力が落ちている、血管内カテーテル(栄養のチューブ)が挿入されているなどで起こります。
眼内炎の症状としては、 ひどい目の痛み、明るい光の非常なまぶしさ、充血、目やに、急な視力低下、視力の部分的な欠損があり、視力の完全な欠損によって失明を起こすこともあります。
真菌の侵入による内因性の眼内炎の場合は、目の症状が出る前に発熱することが多く認められます。その後に、目の前に蚊など小さい物が飛んでいるように見える飛蚊(ひぶん)症や、視界に霧がかかっているように見える霧視などの症状が出ます。
目の手術による外因性の眼内炎のほとんどは、術後2日から3日ほどで発症します。原因となる微生物によっては、術後半年から1年以上経過してから発症する場合もあります。
内因性の眼内炎はいつ発症するのかわかりにくいため、症状が出たら早めに眼科を受診します。眼内炎は非常に重篤な感染症で、最大限の治療を施しても目を救えないこともあります。
眼科の医師による診断では、目の表面を拡大して見る細隙灯(さいげきとう)顕微鏡を用いて眼球を丹念に調べます。続いて、分泌液の培養検査を行います。場合によっては、抗体検査やDNA検査も行います。
分泌液の培養検査では、眼球内の前方にある液体である房水や、眼球後部の内部にあるゼリー状の組織である硝子体(しょうしたい)から採取し、感染の原因微生物を早急に特定するとともに、どの薬剤が最も有効かを調べます。
眼科の医師による治療では通常、視力を守るために、抗菌剤または抗真菌剤による治療を直ちに開始します。極端な場合、数時間の遅れが、回復不可能な視力の低下につながることがあります。
眼内炎の原因であると判明した微生物に応じて、抗菌剤や抗真菌剤の選択を調整することがあります。抗菌剤や抗真菌剤は、眼内注射、あるいは静脈内注射、または経口で投与します。
抗菌剤や抗真菌剤を眼内に注射した後、数日間にわたって痛みを和らげるコルチコステロイド剤を経口で投与することもあります。感染を食い止める確率を上げるため、眼球内部の感染組織を取り除く手術を行うこともあります。
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