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角膜真菌症


目の角膜に、カビなどの真菌が感染して生じる疾患

角膜真菌症とは、黒目の表面を覆う透明な薄い膜である角膜に、カビなどの真菌が感染して生じる疾患。

真菌は、カビ、酵母(イースト)、キノコなどからなる微生物の総称であり、菌類に含まれる一部門で、細菌と変形菌を除くものに相当します。葉緑素を持たない真核生物で、単細胞あるいは連なって糸状体をなし、胞子で増えます。

この真菌が角膜に感染する原因としては、コンタクトレンズの不適切な使用や、異物の混入、目を植物の葉や木の小枝などで突くなどの状況が挙げられます。

コンタクトレンズに関しては、ケアを怠っていたり、装着時の手が汚れていたり、長時間の連続使用などにより、カビなどの真菌が発生し角膜が傷付けられて発症します。異物の混入に関しては、空気中に舞っているゴミやホコリなどが目の中に飛び込んできて、真菌に感染することもあります。

目を突くことに関しては、草の葉や木の小枝、稲や麦の穂などで、角膜を突いたとしても、傷が小さく真菌感染が起こらなければ、角膜の表面は修復能が高いため2〜3日で完全に治ります。しかし、角膜にできた傷が大きければ真菌に感染することになります。

また、ステロイド剤(副腎〔ふくじん〕皮質ホルモン)や抗生物質の点眼剤を長期にわたって使用することが原因で、角膜真菌症にかかる場合もあります。

角膜真菌症の症状としては、まず目の中にゴロゴロとした異物感や痛みを感じ、涙が多く流れます。白目部分が赤く充血して、目やにが大量に出ます。視力が低下したり、視界がぼやけたりします。

症状がひどくなると、角膜の真菌が感染した部分が灰白色に濁って、盛り上がりのある潰瘍(かいよう)ができ、肉眼でも確認することができるようになります。これを放置すると、視力障害の危険があります。

角膜に細菌が感染して生じる細菌性角膜炎と違って、症状が現れるのに日数がかかるのが角膜真菌症の特徴で、いったん症状が確立するとなかなか治りにくくなります。細菌性角膜炎と同様に、通常は片眼性です。

 とりわけ植物の葉や木の小枝で角膜を突いた時は、要注意です。単なる異物の混入であると軽視せず、眼科を受診することが勧められます。

コンタクトレンズが感染源として疑われた場合は、そのコンタクトレンズをレンズケースの保存液に浸したまま持っていけば、検査設備の整った医療機関なら、そこから原因となった真菌を見付けることができることがあります。

角膜真菌症の検査と診断と治療

眼科の医師による診断では、細隙灯(さいげきとう)顕微鏡で角膜を観察します。一般的に、病変部は混濁するとともに、病変周囲の角膜組織には浮腫(ふしゅ)が生じています。

角膜真菌症の可能性がある場合は、角膜の悪くなっている部分をこすり取って、顕微鏡で調べたり、培養したりして、真菌が感染していることを確認します。同時に、病原体となっている真菌の種類を同定する検査と、どのような抗真菌剤が有効かを調べる薬剤感受性試験を行います。

眼科の医師による治療では、原因となっている真菌に感受性を示す抗真菌剤を必要、かつ十分に投与することを原則とします。ただし、真菌の同定や薬剤感受性試験の結果が出るまでには一定の日時を要するため、病歴や細隙灯顕微鏡所見などから原因となる真菌を想定して、治療を開始する必要があります。

通常は、有効な抗真菌剤を配合した点眼薬や眼軟こうによる治療が主体となりますが、病状によっては、白目の表面を覆っている眼球結膜下への抗真菌剤の注射、点滴、内服などを併用することもあります。この場合は、多くは入院治療が必要となります。細菌性角膜炎の場合に比べて、治療に時間がかかります。

治療が遅れた場合は、病変が角膜中央部に及んでいると、たとえ病変が治癒しても瘢痕(はんこん)性の角膜混濁を残し、視力障害が残る可能性があります。重篤な視力障害が残った場合には、角膜移植などの手術治療が必要となることがあります。

角膜真菌症の治療中は、風、ゴミ、ホコリ、光などの刺激から目を守ることが重要です。

角膜真菌症の予防としては、コンタクトレンズを使用している人はレンズのケアをきちんと行い、使用注意を守ることが必要です。また、それほどの自覚症状がないのに,むやみに目薬を2~3週間以上使用しないことも大切です。

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